第1回 雪が降る時期
上の図は、静岡県内の各気象官署(気象台や測候所)と東京・名古屋の降雪期間を表したものです。横棒の左端が初雪、右端が終雪の日です。これは、1961年から1990年までの30年間の平年値なので、年によってかなりの違いがありますし、全く雪が降らない年もあります。
初雪は、東京や名古屋が12月中であるのに対して、静岡県の平野部では1月に入ってからであり、県西部ほど早く降り始める傾向にあります。また、伊豆の最南端に位置する石廊崎では、2月に入ってからです。この理由は、東京と名古屋の初雪の日を比べた時に、西に位置する名古屋の方が東に位置する東京よりも早いためであると考えられ、その結果、静岡県内でも名古屋に近い地域ほど早くなると思われます。
終雪は、東京や名古屋が3月中旬であるのに対して、静岡県内ではいずれの観測点でも2月中であり、御前崎と石廊崎では2月の半ばまでしか降りません。さらに詳しく見てみると、県東部の三島や網代が最も遅くなっていることが分かります。この理由は、初雪の時とは逆に、終雪は東京の方が名古屋よりも遅いためであると考えられ、その結果、静岡県内でも東京に近い地域ほど遅くなると思われます。
降雪期間(初雪から終雪までの日数)は、東京や名古屋が80日前後であるのに対して、静岡県内では平均30日前後です。静岡県内の各地域を詳しく見てみると、浜松では初雪が他の地域より早いために、52日と最も長くなっています。逆に、初雪と終雪が共に2月である石廊崎は、13日と最も短くなっています。地域的な傾向として、県の北や西に行くほど長く、南や東に行くほど短くなっていると見られます。
ここまでの文章で疑問に思われた方も多いと思いますが、初雪・終雪共に名古屋の方が東京より早い理由については後ほど説明します。