西高東低型の事例 -1996年1月31日-
1.気象概況と影響
・全国
日本列島は29日後半から続いている強い西高東低の気圧配置のため、31日朝までの24時間に新潟県妙高村で82cm、長野県野沢温泉村で70cmの降雪量を記録するなど、北日本から西日本の日本海側で40〜80cmの積雪を記録する大雪となった。また、北日本の上空には-40℃以下の強い寒気が流れ込んだ。このため、気象庁は新潟・長野・三重の各県に大雪警報を発令し、警戒を呼びかけた。 天気図を見ると、日本列島上に等圧線が縦に何本も並んでいる。また、大陸の高気圧とカムチャッカ半島付近の低気圧との気圧差が90hPaに達しており、非常に強い西高東低の気圧配置であることが分かる。
・静岡県内
県内では、31日未明から愛知県境付近を中心に西部地域で雪が降り、三ヶ日で2cm、浜松と天竜市熊などで1cmの積雪を記録した。浜松では昨年12月にうっすらと積もったが、1cm以上の積雪を記録したのは2年ぶりであった。この雪の影響で、東名高速道路は31日3時50分から上りが愛知県一宮〜三ヶ日、下りが浜松〜一宮インター間で通行止めとなった。県内区間の規制は11時45分までに上下線とも解除された。一般道でも積雪による通行止めやチェーン規制が行われ、10時の時点で14路線22か所で通行規制されていた。また、路面の凍結による追突事故なども多発し、特に浜松市内では早朝から人身事故だけで40件以上発生した。浜松市芳川町の国道1号線芳川橋付近では、10台の車が絡む多重事故が発生し、ガードレールに衝突した乗用車の男性が死亡した。事故当時、芳川橋上は一面が凍結していたらしく、現場道路は一時、全面通行止めとなった。浜松中央・浜松東・浜北の各警察署は31日午後、凍結事故防止会議を開催した。東海道新幹線も滋賀〜愛知県内の徐行運転の影響で県内の各駅で上りに1時間前後の遅れが出た。
(参照:静岡新聞)