このコーナーでは天気予報の上手な利用法について載せています。
第1回 予報文とは?
「天気予報に傘のマークがなかったのに、どうして雨が降ったんだ!」という(怒りの)体験はよくあることだと思います。本当に予報そのものが外れてしまう場合もありますが、大抵の場合はテレビ画面に表示される「太陽」や「傘」などのマークだけで判断してしまうことに原因があります。マークだけで判断せずに、アナウンサーが読み上げる予報文を注意深く聞いていればこのような体験を大幅に減らすことができます。
予報文は気象庁からマスコミに配信され、マスコミはそれを基にして天気予報のグラフィックスを作成しています。
それでは、実際の予報文を見てみましょう。(これは1998年12月25日7時発表の予報文です。)
静岡県 25日 7時 中部 今日 北東の風 後 西の風 晴れ時々くもり 所により 一時 雨 (101) 明日 北西の風 後 西の風 海上海岸 で やや強く 晴れ時々くもり (101) 海 今日 波 1.5メートル 明日 波 1.5メートル 後 2.5メートル 西部 今日 北西の風 晴れ時々くもり (101) 明日 北西の風 海上海岸 で 後 やや強く 晴れ時々くもり 昼前 まで 所により 一時 雨か雪 (101) 海 今日 波 2メートル 後 1.5メートル 明日 波 1.5メートル 後 2.5メートル 東部 今日 北の風 後 南西の風 晴れ時々くもり 所により 一時 雨 (101) 明日 西の風 後 北西の風 晴れ時々くもり (101) 海 今日 波 1メートル 明日 波 1メートル 後 2メートル 伊豆 今日 北東の風 後 西の風 晴れ時々くもり 所により 一時 雨 (101) 明日 西の風 海上海岸 で 後 やや強く 晴れ時々くもり (101) 海 今日 波 1.5メートル 明日 波 1.5メートル 後 2.5メートル 気温 今日日中の最高 13度 (静岡 13度) 13度 (浜松 13度) 13度 (御前崎 13度) 13度 (三島 13度) 11度 (網代 11度) 12度 (石廊崎 12度) 降水確率 (06−12) 0020 (中部) 0010 (西部) 0020 (東部) 0020 (伊豆) (12−18) 0020 (中部) 0010 (西部) 0020 (東部) 0020 (伊豆) (18−00) 0010 (中部) 0000 (西部) 0010 (東部) 0020 (伊豆) (00−06) 1000 (中部) 1020 (西部) 1000 (東部) 1000 (伊豆)ここでは中部の今日と明日の天気に注目してください。中部の天気をマークで表現した場合、以下のような感じになります。
中部 今日 明日 このマークだけを見ると、今日も明日も同じ天気で、「傘」のマークがないので雨は降らないと思ってしまいがちです。予報文の方を良く見てください。明日の天気の方は「晴れ時々くもり」の文だけですが、今日の天気の方は「晴れ時々くもり」の文に続いて、「所により 一時 雨」という文があります。この「所により 一時 雨」という部分が重要なのです。しかし、画面上で予報文の内容を全て表現しようとすると、画面が見苦しくなってしまいます。そのため、画面上では「所により 一時 雨」の表示を省略し、その代わりにアナウンサーが「今日の天気は、晴れ時々くもりで所により 一時 雨が降るでしょう。」というような感じで予報文を読み上げているのです。この情報をしっかりキャッチしていれば、たとえ外出する時に晴れていたとしても、折りたたみ傘を持っていくことができ、突然雨が降ってきても濡れずに済みます。
今回のポイント:天気のマークを見るだけでなく、予報文をしっかり聞くこと。