雪関連記事 (2000年度)

 2000年度(2000-2001年冬季)の静岡県内の雪に関連する新聞記事を紹介しています。
以下に紹介している新聞記事は、静岡新聞編集局情報調査部から転載許諾を得ています。


1月7・8日 1月14・15日 1月20日 1月26・27日 2月14・15日 2月16日 3月31日

◎ 2001年1月7・8日 (南岸低気圧型)

 

◆ 三島で初雪 県内、大荒れ (静岡新聞 2001年1月8日朝刊24面)

 発達中の低気圧が南海上から接近し、強い寒気が流れ込んだため、7日の県内は中部、東部、伊豆の山間部などで雪が降り、三島で初雪を観測した。三島の初雪は昨年より21日早い。静岡地方気象台は全域に強風、波浪注意報、西部を除く各地に大雪、着雪注意報などを発令し、東名では一部区間で、チェーン、速度規制が実施された。
 同気象台の観測によると、各地の最高気温は静岡6.7度(平年11.8度)、浜松7.4度(同10.6度)、三島7.0度(同11.7度)などで、軒並み平年を下回った。県内は、静岡市で昨年12月20日以来の降雨を記録するなど、久しぶりの雨となったが、夕方から山間部などで雪に変わり、午後9時現在、多いところで積雪は6センチに達した。
 同気象台は8日明け方までに大雪になる地域もあるとみて、注意を呼び掛けている。

 

御殿場郊外積雪10数センチ (静岡新聞 2001年1月8日朝刊24面)

 日中から冷え込んでいた御殿場市などの北駿地域は7日、この冬初めての本格的な雪となった。
 同市では午後4時すぎから粒状の雪がぱらぱらと降り始め、夜中までに市内中心部の歩道や植え込みなどで4、5センチ、富士山に近い郊外の田畑などで10数センチの積雪が見られた。
 大型商業施設「御殿場プレミアム・アウトレット」では降り積もった雪にはしゃぎ回る子供たちや、肩を寄せ合いながら家路に向かう若いカップルの姿があった。
 一方、御殿場署には午後8時半ごろまでの4時間ほど、積雪や路面凍結によるスリップ事故の通報が20件以上寄せられた。同署は「8日朝に掛けても凍結が予想される」としてドライバーなどに注意を呼び掛けている。

 

◆ 県東部で雪景色 今夕、再び下り坂 (静岡新聞 2001年1月9日朝刊24面)

 発達中の低気圧が接近し、強い寒気が流れ込んだため、山間部を中心に雪に見舞われた県内は8日朝、御殿場で9センチの積雪を観測するなど、県東部や山間部で雪景色が広がった。東名高速は降雪による路面凍結で御殿場−大井松田間が午前中一時、通行止めになるなど、交通機関にも影響した。日中は日が差し、最高気温も平年より2−5度高く穏やかな一日となったが、天候は不安定で9日夕方から再び下り坂となる見込み。
 静岡地方気象台によると、8日朝の各地の最低気温は、静岡で5.3度(平年2度、前日1.8度)など、各地で平年より1−3度高い暖かい朝に。日中も好天に恵まれて気温が上がり、最高気温は静岡14.1度(平年11.7度)、浜松15.2度(10.5度)、三島12.3度(11.6度)、御前崎15.9度(10.5度)と平年に比べ、2−5度高かった。
 「9日には気圧の谷が近づき、夕方ぐらいから下り坂に向かう見込み」(同気象台)で、はっきりしない天気が続きそう。

◎ 2001年1月14・15日 (西高東低型)

 

◆ 水窪、佐久間全域で積雪 通学バスに遅れ (静岡新聞 2001年1月15日夕刊2面)

 14日夜から降り始めた雪で、15日早朝から磐田郡水窪町と佐久間町の全域で積雪した。静岡地方気象台によると、15日の佐久間町の最低気温は午前7時に氷点下3.4度、同町の積雪は4センチ。
 この影響で国道152号の水窪町池島−竜山村西川間、国道473号の佐久間町浦川−同町大井間など国・県道でチェーン規制が敷かれた。佐久間町相月の国道152号では午前7時25分ごろ、大型トラックがスリップして側溝に脱輪し、路上に立ち往生したため、約20分間上下線とも通行止めとなった。
 水窪町営バスと佐久間町の福祉バス、医療バスは運休し、佐久間町営バスに20分の遅れが出た。また通学用バスの遅れで、佐久間町立城西小は1時間、授業開始を遅らせた。両町役場や天竜土木事務所は、ショベルカーや融雪剤を使って除雪作業を行った。

 厳しい冷え込みにより、県内は山間部の各地で道路の凍結などにより、15日午前中に、新たに9路線12カ所でチェーン規制が取られた。県警交通規制課によると、チェーン規制となったのは北遠地方の国道152号、同362号の一部などや、県道藤枝天竜線の川根町・藤枝市境など。

◎ 2001年1月20日 (南岸低気圧型)

 

◆ 県内各地で積雪 御殿場22センチ (静岡新聞 2001年1月21日朝刊31面)

 20日の県内は、九州の西海上で発生した低気圧が南海上を通過した影響で、午後から各地で雨や雪となった。山間部などでこの冬一番の大雪になり、静岡地方気象台は同夜、中、東部地方に一時、大雪警報を出した。
 同気象台の観測によると、同日午後9時現在、御殿場市で約22センチ、静岡市梅ヶ島で約8センチ、富士宮市白糸で約7センチ、天城湯ヶ島町で約5センチの積雪。積雪は多いところで25−30センチに達するほか、平野部でも積もるところがある見込み。
 県警交通管制センターによると、雪のため県内の東名高速は20日午後8時すぎから、沼津インター以東が上下線とも通行止めになった。一般道も山間部を中心にチェーン規制が100カ所近くに上った。有料道路の西伊豆スカイライン、芦ノ湖スカイライン、県道富士宮富士公園線などが全面通行止めになった。
 御殿場市内では午後2時すぎから、大粒の雪が降り始め、1時間ほどで地上を真っ白に染めた。8時ごろには、中心部の屋外駐車場や公園などで約20センチ、富士山に近い郊外の田畑で約30センチの積雪となった。商店街では、夜間の積雪に備え、雪かきを始める人の姿も見られた。
 雪の影響で国道246、138号や主要な県道などは、徐行運転の車が列を作った。
 北遠の磐田郡水窪町や佐久間町では20日午後1時ごろから雪が降り始め、夜までに水窪町の平野部で5−10センチの積雪。水窪町の市街地全域で同日午後8時ごろから積雪が原因とみられる停電があった。

◎ 2001年1月26・27日 (南岸低気圧型)

 

◆ 県東部に大雪警報 交通機関影響も (静岡新聞 2001年1月27日夕刊1面)

 九州の南海上から低気圧が接近した影響で、県内は26日夜から27日にかけて東部と中部の山間地域などで雪となった。静岡地方気象台は27日朝、県東部と伊豆に大雪警報を出した。
 同気象台の観測によると、27日正午現在、御殿場市で34センチ、富士宮市白糸で19センチ、田方郡天城湯ヶ島町で10センチの積雪。
 県警交通管制センターによると、県内の東名は同日午前8時40分ごろから、沼津−大井松田インター間で上下線とも積雪のため通行止めになった。一般道でも午前8時半現在、山間部や伊豆地域を中心にチェーン規制が44路線66カ所、通行止めが13路線17カ所に上った。
 また同日早朝には、雪が付いた送電線同士が風で接触し、修善寺町など伊豆地域9市町村の約75000戸で最大3分程度停電した。
 天城湯ヶ島町では大雪による倒木で電柱が折れ、約270戸が長時間にわたって停電した。
 鉄道では関東地域の雪の影響で新幹線下り線に最大30分の遅れが出たほか、JR身延線が同日午前9時20分から約2時間にわたり、雪による落石の恐れで内船−十島間で上下線の運転を見合わせた。
 富士宮市内は27日、全域が雪に覆われ、白糸の滝も幻想的な雰囲気に包まれた。この日予定していた東海道400年祭エントリー事業「ふじのみや春節祭」の日中交流京劇公演は、出演者が富士宮入りできず中止となった。
 市内に営業所を持つ一部のタクシー会社は、安全を考え午前7時半から市内のタクシー運転を一時見合わせる措置を取った。雪による運転見合わせは2、3年ぶりという。

 

◆ 御殿場また大雪 市選管 市長選への影響懸念 (静岡新聞 2001年1月27日夕刊2面)

 先週末に続き雪となった御殿場市では27日早朝から、国道246号の道路わきに停車してチェーンを取り付ける大型トラックの列や、雪かき作業に追われる住民の姿が見られた。積雪は午前11時現在、中心部で約20センチ、郊外で30センチ以上。26日午後8時ごろから粒状の雪がバラバラと降り始め、一夜で市内全域をすっぽり覆った。
 28日投開票の市長選・市議補選の不在者投票所となっている同市萩原市役所前では、寒さをこらえるように前かがみになって投票に向かう有権者の姿があった。市選管関係者は「雪が28日まで続くと、投票率への影響が心配」と表情を曇らせた。

 

◆ 積雪30センチ超える 御殿場市中心部 (静岡新聞 2001年1月28日朝刊1面)

 県東部中心に雪が降った27日、北駿では東名が通行止めとなったのを受け国道246号などが混雑した。
 御殿場市中心部では30センチを超える積雪。主要道沿いの住宅や商店では一日中、雪かき作業に追われた。人の往来がまばらとなった中心商店街では、早々と店じまいする所が相次いだ。同市深沢の「御殿場・プレミアムアウトレット」も客足は鈍く、「従業員の帰りの足が心配」と午後2時半閉園した。
 御殿場署によると、夜に入って動けなくなった大型トラックなどが国道246号や138号をふさいだため10キロ以上の渋滞が発生、「道路状況の問い合わせは200件を超えた」。国道246号の道路わきでは、チェーンを装着するトラックが列を作った。

 

◆ 雪も溶かす熱烈コール 御殿場市長選と市議補選
  (静岡新聞 2001年1月28日朝刊22面)

 御殿場市長選、市議補選の選挙運動は27日午後8時、1週間にわたった激しい戦いを終えた。だが、各陣営では、運動の盛り上がりに手ごたえを感じる一方で、雪による投票率の低下など雪の選挙への影響が気に掛かる様子だった。
 同市内では雪がほぼ一日降り続け、中心部で約30センチ、郊外では50センチ近くの積雪となった。運動最終日の各陣営は降りしきる雪の中、遊説カーにチェーンを装着するなどして「最後のお願い」を連呼した。
 市長選候補の新人長田開蔵氏(59)は中心市街地を約2キロ半にわたってパレードし、道行く人々に支持を訴えた。陣営では「雪の影響は心配。でも、うちは若い支持者が多く、雨でも、雪でも関係ないと思う」と声を弾ませた。
 一方、現職内海重忠氏(56)も最終日、長靴姿で雪をかき分け、市民と握手を交わしながら支持を訴えた。内海陣営でも「いまの市政を守りたいと考える有権者は、責任を持って投票に行ってくれるものと信じている」と力を込めた。
 投票は28日午前7時から午後8時まで(一部を除く)。市では主要な道路などの除雪のほかに、大半の職員を午前6時に招集し、23カ所すべての投票所で雪かき作業に当たるという。

 

◆ 県内 大雪で停電や事故 交通規制や電車運休 直接の人的被害なし
  
(静岡新聞 2001年1月28日朝刊26面)

 26日夜から県内で山間部を中心に続いた大雪は27日夕までに峠を越えた。県警などによると人的被害はこれまでに出ていないが、静岡市などで雪の影響による停電が起きたほか、道路網も各地で寸断されるなど、県民生活に随所で影響が見られた。
 静岡地方気象台の観測によると、各地の積雪は同日午後6時までに、御殿場市で47センチ、富士宮市白糸で30センチ、田方郡天城湯ヶ島町で12センチに達した。
 静岡市梅ヶ島では同日午後3時すぎ、降雪で木が2本倒れて電線に掛かり、付近の約100戸が停電した。電柱も倒れ、主要地方道梅ヶ島温泉昭和線をふさいだ。中部電力は高圧発電車を現場に出動させ、復旧作業を進めているが、午後10時現在でまだ停電が続いている。
 天城湯ヶ島町湯ヶ島でも大雪で10数本の倒木が発生して高圧配電線にもたれかかり、午前9時過ぎから約200戸が停電した。復旧作業は難航し、午後7時ごろ仮復旧で送電を再開した。
 東京電力、中部電力によると、このほかにも中伊豆、芝川、由比、富士川、蒲原、春野の各町で電線への着雪などにより一時停電し、影響は15000戸以上に上った。
 県警によると、雪による直接の人や家屋への被害の報告は入っていないが、積雪や凍結に伴う交通事故が27日午後4時半までに人身、物損合わせて38件あり、2人が軽いけがをした。 交通規制は午後8時現在で全面通行止めが35路線46カ所、チェーン規制が47路線63カ所となっている。東名高速道路は沼津−大井松田インター間の通行止めが続き、日本道路公団によると同8時半現在、解除のめどは立っていない。
 JR在来線も各地で混乱。JR東海静岡支社などによると東海道線は同日午前11時ごろ富士駅構内貨物線で、午後1時40分ごろには三島駅上り構内で架線故障が相次ぎ、上下線合わせて特急2本、普通電車16本が運休するなどして約3600人に影響が出た。同支社とJR貨物で原因を調べている。御殿場線も午後2時20分ごろ、富士岡−南御殿場間で雪によるとみられる倒木で架線事故が起き、上下普通電車5本が最大100分遅れた。
 静岡地方気象台によると、県内は28日に一時天気が回復し、昼すぎごろまでは全域で晴れ間が広がるという。夜には次の気圧の谷が通過するため雨か雪になるが、崩れは小さい見込み。

 

◆ 都心、3年ぶり大雪 (静岡新聞 2001年1月28日朝刊26面)

 発達中の低気圧の影響で27日、関東甲信地方は平野部でも大雪となった。東京都心も大手町の午後6時現在の積雪が7センチを記録するなど、1998年1月15日(積雪16センチ)以来3年ぶりの大雪となり、気象庁は東京都全域に一時、大雪警報を出した。
 関東南部平野部の大雪は夕方までに峠を越えたが、東北の山沿いなどでは28日にかけて大雪、東日本全域で暴風や雷の恐れもあるという。
 午後6時現在のアメダス観測による積雪は、横浜市15センチ、埼玉県熊谷市17センチ、同秩父市53センチ、宇都宮市12センチ、前橋市22センチ、甲府市38センチ。

 

◆ 負傷者は370人以上 東日本、1人死亡 (静岡新聞 2001年1月28日朝刊26面)

 東京都心など東日本の広い範囲で27日、降り続いた大雪のため、首都圏では雪道での転倒や自動車のスリップ事故などで死者1人を含む370人以上が負傷。空の便や新幹線など交通機関も大幅に乱れた。
 東京都内では、台東区で66歳の女性が転んで頭を打ち死亡したほか、124人が足を滑らせるなどして重軽傷。歩行中の転倒によるけが人は、神奈川県で62人、千葉県で34人、埼玉県で22人に上った。
 羽田空港は積雪のため終日、国内線のダイヤが混乱。全日空、日本エアシステムなど航空各社で同空港発着便を中心に計400便以上が欠航した。
 東海道新幹線は朝から東京−熱海間などで徐行運転し、最大約30分の遅れ。東北新幹線も10分程遅れが出たほか、各地の在来線や私鉄もポイント故障などでダイヤが乱れた。東海道新幹線は28日始発から当面、徐行運転する見込み。

 

◆ 迷惑雪 投票率伸びず 御殿場市長選、市議補選 有権者の足鈍る
  (静岡新聞 2001年1月29日朝刊23面)

 28日に市長選、市議補選の投票が行われた御殿場市内は、前日までの雪が各所に残り、有権者の足を鈍らせた。市選管によると、市長選の投票率は59.78%。市長選としては過去最低だった前回(49.05%)を上回ったものの、伸び悩んだ。
 同市内では26日夜から27日夜まで雪が降り続き、積雪量は中心部で30センチ以上、郊外では50センチを越えた。国道246号などの幹線道路では徹夜の除雪作業が進められた。
 市道などを管理する市管理維持課によると、28日の投票日は午前3時から、林正光助役や職員ら数百人が投票所などの雪かきに従事。また、市と委託業者の車両約20台を導入して主要道路の除雪に当たったが、「枝道には手が付けられなかった」。このため、市民からは、家の前などの除雪を求める要望、苦情などが同日午後までに100件以上寄せられた。
 投票所となっている市役所高根支所前では、「選挙なんだから、除雪をしっかりやってほしい」と40代の女性が憤りを隠せない様子。50代の夫婦は「娘のスタッドレスタイヤの車を借り、何とか来られました」と打ち明けた。家族で投票に来た30代の男性は「大切な一票だから来ましたけど、主要道路から外れている農家などは車を全く動かせない状態。投票所に来るのは大変ですよ」と話した。

◎ 2001年2月14・15日 (局地前線型)

 

◆ 東部山間部で雪 16カ所チェーン規制 (静岡新聞 2001年2月15日朝刊26面)

 冬型の気圧配置が続き、上空に寒気が入り込んだ影響で、県内は14日午後から、東部地方の山間部で雪が降った。静岡地方気象台の観測によると、御殿場市で午後6時までに12センチほどの積雪を記録した。国道138号の御殿場市深沢−乙女峠間、伊豆スカイラインの田方郡中伊豆町大字冷川−同町天城高原間など、16路線16カ所でチェーン規制となった。
 14日夜半から15日の朝にかけ、東部地方の山間部では所によって大雪になる恐れがあり、
静岡地方気象台で注意を呼び掛けている。

14日昼ごろから雪となった北駿では、降雪が激しくなった午後から夕方にかけて、積雪や路面凍結による車のスリップ事故が相次いだ。事故車が道路をふさいだり、上り坂でトラックが立ち往生するなどした影響で、国道246号や主要な県道などでは、帰宅時間帯に数キロの渋滞が発生した。

 

◆ 真冬に逆戻り? 北駿は白銀の朝 静岡、浜松など氷点下
  (静岡新聞 2001年2月15日夕刊2面)

 15日の県内は強い寒気に覆われ、静岡や浜松で氷点下を観測するなど真冬並みの寒さとなったほか、沼津、三島などで雪が降った。14日午後から雪となった北駿や伊豆では白銀の朝を迎えた。
 静岡地方気象台の観測によると、各地の最低気温は静岡氷点下2.0度(平年2.3度) 浜松氷点下0.8度(同2.5度) 三島1.7度(同0.9度) 御前崎氷点下1.0度(同3.0度) 網代1.1度(同3.6度)などで、雪を観測した三島を除いて平年を大きく下回った。
 同気象台によると、16日朝の冷え込みは15日に比べやや緩むものの、天気は下り坂でところによっては平野部でも雪が降る。
 今年に入って5度目のまとまった降雪となった北駿では、早朝から住民らがため息交じりに雪かき作業に追われた。

◎ 2001年2月16日 (寒冷低気圧[前線]型)

 

◆ 県内全域に大雪、風雨、雷、波浪注意報 (静岡新聞 2001年2月16日朝刊24面)

 静岡地方気象台は15日午後8時40分、県内全域に大雪、風雨、雷、波浪注意報、中部、東部地方になだれ注意報を発令した。
 同気象台によると、発達中の低気圧が日本海上にあり、低気圧から延びる寒冷前線が通過するため、県内は16日明け方から朝にかけて、雷や突風が起こりやすく、同日午前9時までの降雪量は山地、平地の多いところでそれぞれ15センチ、5センチになる見込み。

 

◆ 静岡市街5年ぶり銀世界 (静岡新聞 2001年2月16日夕刊1面)

 16日朝の県内は平野部でも積雪が観測された。5年ぶり、昭和20年の10センチに次ぐ観測史上2位タイの3センチを記録した静岡市では、屋根や校庭などが雪に覆われ、白い世界が出現した。

 

◆ 未明の降雪、真っ白に染めて 県内、驚きの朝 三島2センチ、静岡は3センチ
  (静岡新聞 2001年2月16日夕刊3面)

 16日の県内は寒冷前線の通過に伴い、気温も下がったことから未明から平野部でも雪となった。静岡市で5年ぶりの積雪を記録したほか、浜松、沼津などでも白い朝を迎えた。静岡地方気象台の観測によると、各地の積雪量は静岡3センチ、三島2センチ、御殿場8センチ、富士宮白糸7センチ、梅ヶ島、井川5センチ、天城湯ヶ島2センチ、浜松は記録的には1センチに満たない0センチだった。
 平野部の雪は天気の回復とともに溶け始めたが、日陰などでは遅くまで残った。
 最低気温は静岡氷点下0.3度(平年2.4度) 浜松0.5度(同2.6度) 三島氷点下2.1度(同1.0度) 網代1.4度(同3.7度)など軒並み平年を下回った。
 同気象台によると、17日は移動性高気圧に覆われて晴れるが冷えて、最低気温は平野部でも氷点下が予想される。

 ■沼津 沼津市御幸町の第四小では、児童らが登校するとすぐに、雪化粧したグラウンドで歓声を上げながら、雪合戦を楽しんだり、雪だるまを作ったりしていた。

 ■浜松 浜松市内でも深夜3時半ごろから雪がちらつきはじめ、早朝にはうっすらと雪化粧。浜松測候所によると積雪は記録されなかったが、登校途中の小学生たちはしばし足を止めて、雪の感触を楽しんでいた。

 ■静岡 平成8年2月18日以来5年ぶりに積雪が観測された静岡市では、車に積もった雪を取り除いて出動する人や、作った雪玉を持ちながら通学する児童など、久しぶりの雪に戸惑ったり、楽しんだりする光景が見られた。

 

◆ ポイント凍結 新幹線遅れる 県内交通機関に影響
   (静岡新聞 2001年2月16日夕刊3面)

 16日朝にかけて降った雪のため、県内は各地の主要道路で通行規制が相次ぐなど、交通機関を中心に影響が出た。
 日本道路公団によると、東名高速道路は下り線の大井松田−御殿場インター間の右ルートが同日午前6時すぎから通行止めとなったはか、上下線の菊川ICから沼津ICにかけて一時、速度規制が取られた。
 一般道は、県警交通管制センターによると、伊豆、東部、中部を中心にチェーン規制が取られた。
 JR東海静岡支社によると、同日午前6時25分ごろ、東海道線沼津駅構内で雪によるポイント異常が起こり、同線と御殿場線の運転を一時見合わせた。東海道新幹線も午前6時ごろ静岡駅で、同駅発新大阪行きこだま493号が発車しようとしたが凍結でポイントが切り替わらず、約20分遅れで発車した。
 同日早朝、賀茂郡東伊豆町の約150戸と、磐田郡竜洋町掛塚の約100戸が落雷によって、それぞれ約3時間と1時間半ほどにわたり停電した。

 

水かけ菜無残 御殿場 雪で痛手 生産半減 (静岡新聞 2001年2月16日夕刊3面)

 北駿の冬の味覚「水かけ菜」が度重なる雪の影響をもろに受け、生産の遅れが深刻化している。特に、早稲品種の「新湧水菜」は収量の落ち込みが激しく、「農閑期の収入源」を見込んでいた生産農家にとっては、大きな痛手だ。
 御殿場市と小山町の農業63人でつくる水かけ菜生産組合によると、今年は新湧10トン、在来種35トンの出荷目標を立てた。だが、積雪の重さで菜の薹(とう)が押しつぶされたり、葉が痛んだりしたため、新湧の収量は前年比42%減の約5トン。御殿場市上小林の一部では90%減の地区もあったという。
 主力の在来種も例年は2月中、下旬に出荷のピークを迎えるが、今年は厳しい冷え込みと積雪で生育が遅れ、3月上旬から彼岸ごろにずれ込みそうな気配。この先も積雪が相次げば、「最終的な収量が20トン前後にとどまる」との悲観的な見方も出始めた。
 同市柴怒田では水かけ菜に降り積もった雪を、竹ぼうきで払い落とす農家の姿が見られた。勝又智恵子さん(78)は「ことしはよく降る。水かけ菜の雪かきは、もう3度目」とうんざりの様子。「新湧水は薹がだめになった。残念だ」と雪を恨めしそうに見つめた。
 一方、北駿の水かけ菜の発祥の地で、18軒の農家が生産に携わっている小山町阿多野地区でも、例年より1週間ほど生育が遅れていて、農家では「早く、穏やかな天候が回復してほしい」と祈るような思いだ。

◎ 2001年3月31日 (南岸低気圧型)

 

◆ 春はどこへ… 県内 御殿場で積雪 (静岡新聞 2001年3月31日夕刊2面)

 前線を伴った低気圧が南海上から通過し、県内上空に真冬並みの寒気が流れ込んだ影響で、県内は31日、冷え込んだ朝を迎えた。各地で雨となり、県東部と中部の山間部や御殿場では雪が降った。
 静岡地方気象台の観測では、この朝の各地の最低気温は網代2.9度、三島4度、静岡、石廊崎5度など。平年を2度から5度下回り、場所によっては1月下旬並みの冷え込みとなった。県東部の山間部で午前7時までに7、8センチの積雪、御殿場市では午前9時までに約3センチの積雪を記録した。寒の戻りによるこの時期の積雪は珍しいことではないという。雨や雪は日中も断続的に降り続いた。
 御殿場市内では31日午前2時ごろから水っぽい雪が降り始め、夜が明けるころには一面を白く覆った。この時期に雪が降るのは3年ぶりで、桜の名所として知られる同市東田中の平和公園では、ようやくほころび始めた花弁が雪の帽子をかぶった。
 富士山測候所御殿場基地事務所の観測によると、この日朝の最低気温は御殿場で0.3度。「3月上旬並み」(同事務所)というものの、ここ数日が穏やかだっただけに、真冬に逆戻りしたような肌寒さに市民も身を縮めた。

 

◆ 満開桜に25年ぶり雪 東京都心 (静岡新聞 2001年3月31日夕刊2面)

 日本列島は31日朝、この時期としては強い寒気が流れ込み、28日に桜が満開になった東京都心で雪が舞うなど、各地で厳しい冷え込みとなった。
 気象庁によると、東京都心で桜の満開後に雪が降ったのは1976年以来、25年ぶりという。76年は満開が3月31日で4月3日に雪が降った。

 

◆ 春の雪にぶるっ 山間部などで積雪 富士 (静岡新聞 2001年4月1日朝刊21面)

 富士市の山間部は31日、雪に覆われた。正午前、雨がみぞれになり、瞬く間に雪に変わった。
 市内中心部から10キロほど北上した富士山ろくの同市桑崎、大渕は木々が白く染まった。国道469号線や県道富士裾野線の沿道は積雪もあり、車両はライトをつけて徐行。屋根に雪を載せたまま市街地に向かう車両も見られた。
 市内初の本格的な市営墓地「富士市森林墓園」(桑崎)では1日の供用開始を控え、作業員らが雪の舞う中で最後の仕上げに追われた。


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