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2004年1月17日 (南岸低気圧型)
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◆ 試験の季節雪で幕開け 県内一斉にセンター試験 志願者5年ぶり減
(静岡新聞 2004年1月17日夕刊1面)
南海上の低気圧が発達しながら東に進む影響で県内は17日早朝から、山間部ばかりでなく平野部でも雪に見舞われた。受験シーズンの幕開けとなる大学入試センター試験が同日、雪の中で始まった。最低気温が平年を下回る寒さとなり、静岡地方気象台の観測によると山間部の雪は同日夜まで降り続く見込み。
国公立大約7割の私立大が参加する2004年度大学入試センター試験は17日午前、全国712会場で始まった。
現役生徒が少ないため志願者は5年ぶりに減少し過去最多だった昨年比2.6%減の58万7350人。内訳は高校3年生が72.7%を占め、既卒者が26.1%。女子の割合は40.3%。
県内の志願者(受験地別)は昨年より23人少ない1万6962人(男9429人、女7533人)。大学と高校計20カ所が試験会場になっている。
今回から短大の利用が認められ、97校230学科が参加した。
受験生は志望校が指定する科目を選んで受験。学力低下の懸念から国立大の多くは昨年より1−2科目多い5教科7科目の受験を義務付け、受験生の負担は重くなった。
初日は最も受験生が多い外国語に続いて地理歴史、午後に理科@(物理TA、TBなど)、理科A(生物TA、TB)を実施。2日目は国語、数学@(数学Tなど)、数学A(数学Uなど)、公民。
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◆ 県内入試会場トラブルなし (静岡新聞 2004年1月17日夕刊1面)
県内の入試は雪によるトラブルはなかったが、受験生は自宅からの出発を早めるなど自衛策を取った。センター試験会場の浜松医大は早めに到着した受験生に対応し、午前8時半の開場予定を8時すぎに前倒しした。
同大に引佐郡三ヶ日町からバスと電車を乗り継いで来た女子高校生は「何かあると困るので早めに家を出ましたが、混乱がなくて良かった」とほっとした表情。静岡大周辺は受験生を乗せた車が例年より込み合い、静岡市内の女子高校生は「いつもなら車で20分のところが今日は道路混雑で1時間以上かかった」と足早に会場に向かった。
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◆ 緊張と寒さ表情硬く 県内センター試験時間通り開始
(静岡新聞 2004年1月17日夕刊2面)
県内では17日、大学入試センター試験に合わせて公立高併設中や私立中の入試も始まり、本格的な受験シーズンが幕を開けた。早朝から県内ほぼ全域で雪が降る中、受験生は白い息を吐きながら次々に会場に到着し、緊張した面持ちで教室に向かった。
県内のセンター試験は予定時間通り始まった。三島市文教町の日大国際関係学部は約1600人が試験に臨んだ。雪の中、色とりどりの傘をさした受験生たちが続々と試験会場の校舎に入った。教室内では受験生たちが深呼吸したり背筋をただしながら、緊張した表情で開始の合図を待った。
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◆ 県内積雪交通網乱れる 25路線チェーン規制 (静岡新聞 2004年1月17日夕刊3面)
17日の県内は、早朝から雪やみぞれ交じりの雨が降り、伊豆山間部を中心に道路や鉄道の交通網に影響が出た。沼津市や浜松市の平野部でも大粒のぼたん雪が舞い、郊外の山々や樹木、屋根などがうっすらと雪化粧した。市街地では傘を斜めに差して、足早に歩く買い物客らの姿が見られた。
静岡地方気象台によると、積雪は正午現在、井川で5センチ、水窪で4センチ、御殿場で2センチを記録した。浜松や沼津の平野部も積雪は観測されないものの、周辺を白く染め上げた。浜松市内の降雪は昨年12月20日以来。御前崎では平年より8日早く、初雪を観測し、牧の原台地の茶畑も銀世界に変わった。
同日朝の最低気温は静岡1.6度(平年1.6度)、浜松0.7度(同2.2度)、三島0.6度(同0.2度)、網代0.7度(同3.7度)、石廊崎1.6度(同5.4度)など。浜松は平年を1.5度下回り2月上旬並みの最低気温を記録。網代と石廊崎は、この冬一番の寒さになった。
県警交通管制センターによると、雪のため東名高速道路が下り線の大井松田−御殿場インター間の右ルートが通行止めになったほか、全線で80−50キロ規制が行われている。一般道は午前11時現在、県東部の山間部を中心に7路線7カ所が通行止め、25路線、25カ所でチェーン規制が取られている。
JR東海によると、東海道新幹線は午前8時半ごろから、雪のため上り名古屋−掛川間、下り浜松−名古屋間で徐行運転した。2分程度の遅れが見込まれるという。在来線には影響は出てない。
磐田市内では雪遊びをする子供たちが見られたほか、磐田スポーツ交流の里ゆめりあで開催予定だった「キンパラカップ県中学ジュニアユース新人サッカー大会」は、18日に延期になった。
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◆ かやぶき屋根も雪化粧 御殿場の秩父宮公園 一面幻想的な雰囲気
(静岡新聞 2004年1月18日朝刊28面)
17日に降り続いた雪の影響で御殿場市東田中の秩父宮記念公園は、シンボルのかやぶき屋根の母屋が真っ白に雪化粧するなど、一面銀世界の幻想的な雰囲気に包まれた。
同公園の積雪は同日午後3時現在で約5センチ。しんしんと降り続く雪の中、来園した静岡市向敷地のパート鈴木とき代さん(58)と同市川合の無職杉田佳子さん(57)は「雪景色がとてもきれいですね。びっくりしました」と満足げ。2人は「今度は違う季節に訪れてみたい」などと目を輝かせていた。
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◆ 東部中心に道路寸断 県内降雪峠越す 人的被害なし
(静岡新聞 2004年1月18日朝刊30面)
17日早朝から県内で山間部を中心に続いた雪は同日夕方までに峠を越えた。県警などによると道路網が伊豆山間部などで寸断されるなど、県民生活に随所で影響が見られた。
静岡地方気象台の観測によると、各地の積雪は同日午後5時現在、井川で6センチ、水窪で5センチ、御殿場で3センチに達した。
県警によると、雪による直接の人や家屋への被害の報告は入っていないが、積雪や凍結に伴う交通事故が同日午後6時までに人身17件、物損67件合わせて84件発生した。東部方面での事故が目立った。
交通規制は午後10時半現在、全面通行止めが天城峠の国道414号、西伊豆スカイラインなど6路線6カ所、チェーン規制が50路線68カ所となっている。東名高速道路は下り線の大井松田−御殿場インター間の右ルートが通行止めのほか、沼津インター以東で50キロ、同インター以西で80キロの速度規制が行われている。
同気象台によると、18日の県内は天気が回復し、昼間は晴れ間が見られそう。気温も平年並みに戻り、寒さは和らぐ見込み。
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◆ 県内、降雪の影響続く (静岡新聞 2004年1月19日朝刊30面)
17日の県内山間部を中心とした降雪の影響で、18日も交通事故が相次いだり、道路網が寸断されるなど、県民生活への影響が続いた。県警によると、積雪や凍結に伴う交通事故が、同日正午までに人身32件、物損98件、合わせて130件発生した。
交通規制は午後10時現在、全面通行止めが天城峠の国道414号、西伊豆スカイラインの2路線2カ所、チェーン規制が30路線39カ所となっている。東名高速道路下り線の大井松田−御殿場間右ルートの通行止めは午前10時、解除された。一部で80キロの速度規制が続いている。
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◆ 富士サファリパーク クマやバイソン、シカ・・・ 雪に大はしゃぎ
(静岡新聞 2004年1月23日朝刊18面)
先週末から今週にかけた低気圧の通過で、富士山ろくは広域で積雪。裾野市須山の富士サファリパークでは22日、動物たちが約10センチ積もった雪の中で生き生きと遊ぶ姿が見られた。
クマゾーンや草食動物ゾーンでは職員が特設の雪の山を造成。約5メートルの山にはアメリカバイソンやダマジカ、ニホンジカが一緒に登る姿が見られた。雪が好きなのはクマやトラも同じ。雪の上にしゃがみ込んだコディアックヒグマの愛きょうたっぷりのしぐさが人気を集めている。反対に雪が苦手なのはライオンや南アメリカ原産のラマ。雪を避け岩の上や道路で体を寄せ合っている。
雪での転倒が心配されるキリンは雪のない場所に移し、寒さに弱いチーターは展示を中止した。
同園の竹内大介さんは「ここまで雪が積もるのは年に数回ほど。普段は見られない動物たちの珍しい生態が観察できます」と雪のサファリをPRする。
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