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2011年1月15〜17日 (西高東低型)
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◆ 県中部平野部でも降雪 各地で厳しい寒さ
(静岡新聞 2011年1月16日朝刊27面)
上空に非常に強い寒気が入り込んだ県内は15日、日中も気温が上がらず各地で厳しい寒さとなった。午後7時ごろには山間部を中心に雪が降り始め、静岡や焼津、藤枝市など、県中部の平野部でもまとまった降雪が観測された。
静岡地方気象台によると、日中の最高気温は浜松市中区5.4度、菊川市牧之原4.5度、静岡市駿河区8.9度など。平年より5〜2度低かった。同気象台の担当者は「寒気が強い分、普段降らないような場所にも雪が降った」と話した。
焼津市や藤枝市の平野部では、午後8時ごろから、ちり紙をちぎったような雪が舞った。時折、強い風にあおられて横なぐりに激しく降り、車のボンネットなどに積もった。
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◆ 水窪は雪化粧 各地で今季一番の寒さ
(静岡新聞 2011年1月17日朝刊28面)
この冬一番の寒気が列島に流れ込んだ影響で、県内は16日、各地で今季一番の寒さとなった。浜松市など県西部を中心に雪を観測した。17日も寒さは続き、沿岸部では強い風が吹く見込み。
静岡地方気象台によると、同日朝の最低気温は静岡市氷点下0.7度、浜松市氷点下1.8度、三島市氷点下1.3度など。浜松市、静岡市清水区、御前崎市などでは今季一番の寒さとなった。
浜松市中心部では朝から断続的に雪がぱらつき、車のボンネットなどをうっすらと覆った。同市天竜区水窪町では道路や屋根に雪が1〜2センチ積もった。この影響で北遠駅伝大会が中止になった。JR東海によると、東海や近畿地方で降った雪により東海道新幹線は浜松−新大阪間で減速運転し、県内でも上りに遅れが出た。海上では、強風のため、富士急マリンリゾート(熱海―初島)などフェリー各社が運休や部分運休した。
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◆ 冷え込む県内 交通混乱
(静岡新聞 2011年1月17日夕刊1面)
16日夜から17日未明にかけての厳しい冷え込みによる路面凍結のため袋井−豊川IC(インターチェンジ)間の上下線が通行止めとなった東名高速道路。県内は雪の影響で事故が相次ぎ、交通網も乱れた。
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◆ 路面凍結けが人多数 東名一時通行止め
(静岡新聞 2011年1月17日夕刊2面)
列島がこの冬一番の寒波に見舞われた影響で、県内は16日夜から17日未明にかけて厳しく冷え込み、最低気温は静岡市駿河区で氷点下2.7度、浜松市中区で氷点下1.3度など、平野部でも軒並み氷点下となった。15日夜から断続的に降雪が続いた県西部を中心に、路面の凍結による転倒や交通事故が多発した。東名高速道路や国道の通行止めも相次いだ。
静岡地方気象台の観測によると、17日朝の最低気温は、浜松市天竜区佐久間で氷点下7.0度、静岡市葵区井川で氷点下6.6度、三島市で氷点下4.1度など。平年より6〜3度低かった。
浜松市消防局によると、同市南区新貝町の女性(70)と同市中区領家の男性(72)がいずれも自宅近くの路上で転び、左手首を骨折した。16日夜から17日朝までに雪に絡んだ事故の救急出動は36件あった。午前11時現在、浜松中央署と浜松東署の管内で合わせて41件の人身事故を含む210件の路面凍結が原因とみられる交通事故が発生した。磐田市内では25人が軽いけがを負った。
県警高速隊によると、17日午前1時10分ごろ、浜松市東区有玉南町の東名高速道路上り線で、凍結した路面でスリップして路肩に停止していた藤枝市の会社員の男性(28)の乗用車に別の車がスリップして突っ込み、車外にいた男性が骨盤を骨折する重傷を負った。県内の東名高速道路では16日夜から17日朝にかけ9件の事故が発生した。
県警交通規制課や中日本高速道路、国土交通省によると、17日午前10時現在、県内の東名高速道路は袋井−豊田IC(インターチェンジ)間の上下線で通行止め。16日午後11時から続いていた国道1号浜名バイパス篠原IC(浜松市西区)−白須賀IC(湖西市)の全面通行止めは17日午前10時半までに解除された。
JR東海によると、東海道新幹線は17日の始発から浜松−新大阪駅間の上下線で通常より速度を落として運転し、最大113分の遅れが出た。浜松市の遠鉄バスは始発から一時、全路線で運転を見合わせた。
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◆ 降雪、県内製造業に影響
(静岡新聞 2011年1月18日朝刊31面)
東海地方を襲った大雪は、自動車業界を中心に産業界にも打撃を与えた。スズキは17日、湖西市の湖西工場などの四輪車工場の操業を丸一日取りやめた。トヨタ自動車も同日、大雪で仕入れ先からの部品納入や従業員の出退勤などに支障が出る恐れがあるとして、愛知県内の11工場で夕方から始まる2交代制の後半の稼働を中止した。両社とも18日は、通常通り操業する予定。
スズキは、降雪の影響で仕入れ先からの部品納入や従業員の通勤に支障が出たため、県内の三つの四輪車工場の操業を休止した。ヤマハ発動機も、従業員の出勤の遅れから本社工場(磐田市新貝)の二輪完成組み立てラインが最大2時間半ストップした。
スズキが休止したのは湖西(湖西市白須賀)、磐田(磐田市岩井)、相良(牧之原市白井)の3工場。17日朝から操業を停止して様子を見ていたが、道路の通行止めや渋滞による物流や通勤の滞りが長引いたため、休止を決めた。既に出勤していた従業員は清掃や設備の点検を行ったという。
二輪車を生産する豊川工場(豊川市)も午前中の操業を停止し、午後から再開した。
トヨタ自動車も、愛知県内の全12工場のうち夜間操業の予定がなかった1工場をのぞく11工場で、夕方から始まる2交代制の後半の稼働を中止した。トヨタの国内生産が雪でストップしたのは2005年12月以来、約5年ぶり。生産が遅れた分については後日、休日出勤で埋め合わせる。
稼働中止は「プリウス」などを生産する主力の堤工場(愛知県豊田市)やエンジンなどの部品工場。グループ各社にも影響が波及した。
三菱自動車は、名古屋製作所(同県岡崎市)と子会社のパジェロ製造(岐阜県坂祝町)の2工場で、17日朝の始業時間を最大2時間遅らせた。部品の納入に遅れは出ていないという。
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◆ チェーン規制続く 県内37カ所
(静岡新聞 2011年1月18日夕刊2面)
15日夜から17日未明にかけての厳しい寒さや雪の影響で、県内の一般道は18日午前7時現在、山間部を中心に国道や県道28路線37カ所でチェーン規制が続いている。県警交通規制課は「残雪が溶けて夜間に路面を凍結させる可能性がある。十分注意して走行してほしい」と呼び掛けている。
国道1号浜名バイパスなど6路線6カ所の通行止めは、17日夕までにすべて解除された。
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◆ スズキが工場操業再開
(静岡新聞 2011年1月18日夕刊2面)
スズキは18日、大雪で停止していた県内の湖西、磐田、相良の各四輪車工場の操業を同日朝から再開した。
トヨタ自動車も同日、大雪の影響で17日夕からの操業を中止した愛知県内の11工場について、通常通り稼動を再開したことを明らかにした。部品納入などに支障が出る恐れがあるため、同日に2交代制の後半の稼動を取りやめていた。生産が遅れた分は今後、休日操業で埋め合わせる方針。
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