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2014年2月14・15日 (南岸低気圧型)
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◆ 県東部平野部10センチの降雪も 静岡地方気象台予想
(静岡新聞 2014年2月14日朝刊30面)
静岡地方気象台は13日、前線を伴った低気圧が接近する影響で、県内で14日午後6時までに県東部の平野部で最大10センチ、県中部・西部・伊豆の平野部では同3センチの降雪が予想されるとの気象情報を発表した。
雪は山間部を中心に降り、同日夜まで続く恐れがある。山間部の降雪量は県東部で最大20センチ、その他の地域でも同10センチと予想している。
気象台は市街地や沿岸部では雨やみぞれで終わる可能性もあるとみているが、「積雪や路面凍結による交通障害に注意してほしい」と呼び掛けている。
陸上の最大風速は14〜15メートル、最大瞬間風速は25〜30メートル、波の高さは4〜5メートルと見込まれている。
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◆ 県内、山間部中心に雪 新東名で今冬2度目の閉鎖 最大40センチ予想
(静岡新聞 2014年2月14日夕刊2面)
日本の南海上を低気圧が発達しながら通過した影響で、県内は14日、山間部を中心に大雪となり、新東名高速道の御殿場ジャンクション−長泉沼津インターチェンジが上下線で閉鎖されるなど道路や鉄道が混乱した。中日本高速道路によると、雪による新東名の通行止めは8〜10(49時間)に続き今冬2度目。
静岡地方気象台は御殿場市や沼津市、三島市などに大雪警報を発令。降雪量をいずれも多いところで県東部の山間部で40センチ、伊豆の山地で20センチ、県東部の平野部と県中部・西部の山間部で10センチと予想。県中・西部、伊豆の平野部でも3センチの降雪が見込まれている。
JR東海静岡支社によると、東海道新幹線は関西地方での雪の影響で14日午前、静岡駅を発着する「ひかり」の上りで最大35分程度の遅れが出た。
県警交通規制課によると、同日午前10時現在、県東部や伊豆を中心に国道を含む16路線22カ所で通行止め、36路線51カ所でチェーン規制が実施されている。
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◆ 列島各地でも雪
(静岡新聞 2014年2月14日夕刊2面)
東日本の太平洋側で雪が降り、名古屋市で6センチ、大阪市3センチ、東京都心(大手町)1センチなど、先週末に続き各地で積雪を観測した。
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◆ "雪だるま広報"登場 御殿場署 事故防止など訴え
(静岡新聞 2014年2月15日朝刊22面)
御殿場市などが大雪に見舞われた14日、御殿場署の正面出入り口に高さ約1.5メートルの雪だるまが登場した。積雪の多い地域ならではの“雪だるま広報”として、雪だるまが来庁者らに交通事故防止や振り込め詐欺被害防止を静かに訴えた。
交通安全協会御殿場地区支部や同署生活安全課などが地域特性を生かしたPR活動として考案し、同日朝に敷地内を除雪して出た雪を活用した。
交通安全のたすきや注意書きを抱え、自発光式反射材で鼻が光る雪だるまや、腕がのぼり旗の雪だるまなど3体を制作した。
同署管内では記録的な積雪となった8日以降、スリップ事故が相次いでいて、ドライバーに慎重な運転を、歩行者には積雪や降雪の中でも目立つ、自発光式反射材の着用で安全確保を求めている。
14日は年金支給日だったため、雪だるまは降り続く雪にじっと耐え、振り込め詐欺への警戒も粘り強く呼び掛けていた。
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◆ 県東部大雪 御殿場で48センチ
(静岡新聞 2014年2月15日朝刊35面)
発達した低気圧が日本の南海上を通過した影響で、県内は14日、静岡市北部や熱海市、御殿場市などに大雪警報が出され、御殿場市中心部では午後9時に48センチの積雪が記録されるなど、県東部を中心に大雪の一日になった。交通機関は朝から混乱し、県警交通企画課によると、県内で67件の事故が発生した。
静岡地方気象台によると、各地の最大積雪量は、静岡市葵区井川で13センチ、浜松市天竜区水窪町で11センチ。所によっては15日朝まで降雪がある見通しで、いずれも多い所で県東部の山間部で40センチ、県中部・伊豆の山地で10センチの積雪が見込まれる。
中日本高速道路によると、新東名高速道路の御殿場ジャンクション−長泉沼津インターチェンジ間の上下線のほか、東富士五湖道路の上下線で通行止めになった。
JR東海静岡支社によると、東海道新幹線上下線で断続的に遅れが発生した。身延線や御殿場線では電車進路を切り替えるポイント装置に雪が詰まるなどし、一部区間の上下線で数度にわたって運転を見合わせた。
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◆ 関東南部の平野部も雪
(静岡新聞 2014年2月15日朝刊35面)
西日本から東日本の太平洋側の各地で14日、先週末に続き大雪となった。午後になって首都圏を含む関東南部の平野部でも雪が強まり、横浜市で11センチ、東京都心(大手町)で2センチの積雪を観測した。先週の雪がまだ残る埼玉県熊谷市で16センチ、甲府市で44センチにまで積雪が増えた。気象庁によると、関東南部では15日朝にかけて雨に変わる見通し。
気象庁は関東甲信の各地に大雪警報を発表し、警戒を呼び掛けた。羽田発着などの航空便の一部が欠航となり東海道・山陽新幹線に遅れが出た。一部の大学では入学試験の開始時刻を繰り下げた。
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◆ 東名 滞留40キロ
(静岡新聞 2014年2月16日朝刊1面)
県東部を中心とした大雪の影響で、東名高速道上り線は15日午前3時ごろまでに清水インターチェンジ(IC)−東京IC間が通行止めになり、滞留車両が最大で約40キロにわたって連なった。渋滞は終日続き、復旧は16日以降にずれ込んだ。
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◆ 大雪で終日交通まひ 御殿場 小山 凍結、落雪の危険も 事故防止へ注意喚起
(静岡新聞 2014年2月16日朝刊23面)
過去最大規模の大雪に見舞われた15日、御殿場市や小山町では、公共交通機関が運休したほか、動けなくなった車が道をふさぎ、主要幹線道路や生活道路もまひ状態に陥った。同市町などは今後、凍結や落雪による事故の危険を考え、不要不急の外出の回避などを求めている。
御殿場市・小山町広域組合消防本部によると、14日未明から15日朝まで降雪が続いた。同市東田中で過去最大規模の85センチの積雪を記録。同市永塚59センチ、同市中山55センチ、同町菅沼61センチ、同町須走58センチなど、今月8日を上回る記録的な大雪となった。生活道路の吹きだまりでは1メートルを超えるような雪が通路や車を埋め尽くした。1週間を開けずに雪かきに追われた住民らは「こんな雪は生まれて初めて。きりがない」と話し、腰の高さもある雪に疲れを見せた。
富士急行バスと箱根登山バス、JR御殿場線が終日運休したほか、タクシーもほとんど利用できない状態に。
道路事情などによる配送の遅れでコンビニ店などでは一時的な品薄状態も起きた。市温泉会館などの公共施設も休館した。
同市は同報無線で除雪への協力や放置車両の早期撤去を求めている。「フェイスブック」の市公式アカウントでも随時、情報を発信している。
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◆ 御殿場市が災害対策本部
(静岡新聞 2014年2月16日朝刊23面)
14日未明から降り続いた記録的な大雪を受けて御殿場市は15日、災害対策本部を市役所に設置し、情報収集や住民への注意喚起を始めた。大量の積雪による重大な事故や災害の発生を警戒する。
同本部によると、同日夕までに雪によるけが人は報告されていない。ビニールハウスや駐車場の屋根の倒壊・破損などの被害は数十件起きているという。
同本部は、民生委員を通じて独居高齢者らの安否確認を始めた。同報無線を通じ、除雪作業への協力や落雪への注意も呼び掛けた。除雪作業の停滞解消や車両放置で運用が危ぶまれる緊急車両の通路確保を目指す。
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◆ 大雪、物流に一部影響 遅れや未着
(静岡新聞 2014年2月16日朝刊27面)
県東部や関東甲信などを中心とした15日の大雪の影響で高速道路が通行止めになるなど混乱し、県内物流にも一部影響が出た。スーパーなど小売店では関東方面からの荷物が遅れた。
スーパーの田子重(焼津市)によると、同日朝に関東方面から届く予定のサラダや和総菜を積んだトラックの到着が遅れた。「高速道で立ち往生している。今日中に届くかどうか」と担当者。商品のない店舗の棚には「降雪のため」とお知らせを張り出し、顧客に理解を求めた。物流のハマキョウレックス(浜松市)によると、予報で大雪を織り込んでいたため大きな混乱はなかったという。「高速を避けるなど対策を講じた。情報収集中だが、大きな問題は聞いていない」(広報担当者)。
静岡市中央卸売市場は、雪の影響で野菜などの入荷が少なめ。担当者は「先週末も大雪で東北方面からの葉物が届かなかった。長く続くと困ってしまう」と語った。
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◆ 県東部大雪 車や電車立ち往生 スキー中学生足止め
(静岡新聞 2014年2月16日朝刊33面)
大雪に見舞われた東部地域を中心に、県内は15日も交通機関が乱れた。小山町の国道や県道では大型バスや乗用車が、JR御殿場線では電車が立ち往生し、乗客は車内で不安な夜を過ごした。1週間前の大雪の際、全線通行止めの新東名高速道を代替した東名高速道も、前週を上回る降雪で中―東部にかけて通行止め。裾野インターチェンジ(IC)を先頭に上り線上に閉じ込められた車による約40キロの渋滞が午後10時現在まで22時間にわたって続いている。
御殿場85センチ
静岡地方気象台によると、15日午前に大雪はピークを越えた。御殿場市の市街地では最大85センチの積雪があったという。
小山町の県道では14日午後7時ごろ、観光バスが雪にはまり走行不能になった。町職員が乗客・乗員39人を同日午後10時までに近くの「東富士防災センター」に誘導した。同町内の国道138号でも15日午前1時ごろまでに、大型バスを含む計9台が雪のため動けなくなった。山梨県境のため、同日午前中のうちに国土交通省甲府河川事務所が救出に向かい、計約50人を同県山中湖村役場に運んだ。
スキー教室で山梨県を訪れた富士宮市の星陵中2年生182人と引率教諭12人は同県内に足止めされた。14日朝、日帰り予定でバス6台で学校を出発。富士宮市方面に戻る道路が通行止めになった。迂回したが、県境付近で再び通行止めに遭い、渋滞も重なって立ち往生した。同日夜はバス内で過ごした。15日は付近のホテルや公民館などに宿泊するという。静岡市の静岡学園中生徒130人も山梨県内で足止めされ、身延町の公民館などに避難した。
通行止め
中日本高速道路によると、高速道路は15日未明ごろから東名上り線清水IC−東京IC間、下り線東京IC−沼津IC間が通行止めになった。新東名御殿場ジャンクション−長泉沼津IC間と、東富士五湖道全線は上下線で14日から通行止め。
欠航・運休
空の便や鉄道にも影響が出た。静岡空港管理事務所によると、全日空(ANA)の静岡−那覇間の計2便が欠航。JR東海静岡支社によると、身延線や御殿場線は一部区間で終日運転を見合わせ、東海道新幹線は速度を落として運転し、上下線で遅れが出た。大井川鉄道井川線では15日午前11時5分ごろ、静岡市葵区の井川駅付近の線路で、雪の重みが原因とみられる倒木が見つかり、閑蔵−井川間で運転を見合わせた。撤去作業のため、同区間は16日も運休する。
県危機管理部によると、雪で転倒し手を骨折するなど、男女3人が重軽傷を負った。停電は伊豆市の約1600戸をはじめ、浜松市や静岡市内にも広がった。富士宮市では14日夜から計530世帯が停電した。東京電力富士支社は、雪の重みで倒れた樹木が電線に接触したとみている。
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◆ 65人、車内に半日 JR御殿場線
(静岡新聞 2014年2月16日朝刊33面)
JR御殿場線では14日深夜から15日朝まで国府津発沼津行の下り電車が立ち往生し、乗客65人が約半日にわたり、車内に取り残された。乗客の半数は同日夜になっても小山町の足柄駅前の診療所で待機し、運行再開を待っている。乗客からは「大雪の予報があったのだから、適切な人員配置や早めの運行判断をしてほしかった」とJRの対応に不満の声も上がっている。
乗客によると、14日午後9時すぎに国府津を出発した電車は県内で断続的に停車し、足柄−御殿場間で前に進めない状態になった。足柄駅に引き返したが、停電による冷え込みもあり、乗客は15日午前9時すぎ近くの診療所に移動した。近所のコンビニ店が品薄で、昼頃までにJR側からは飲料の配布を受けただけだったという。
JR東海静岡支社によると、積雪が予想を上回り、電気融雪器の機能を超えたことが原因とみられる。周辺の道路も通行不能で、代替輸送もできなかったという。広報担当者は「夕方から急激に降雪の勢いが増した。できるだけ乗客を届けたいと考える中での難しい判断だった」と説明した。
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◆ 小山町須走2920人孤立 県 陸自に災害派遣要請
(静岡新聞 2014年2月17日朝刊1面)
御殿場市や小山町など県東部は大雪による影響が16日も続いた。同町須走地区では午後7時現在、2920人が孤立状態になっている。県はこのうち高齢者約80人の救助のため陸上自衛隊に災害派遣要請を行うとともに、災害対策本部を設置した。
隊員約70人は午後から現地に入り、重機15台で除雪作業などを進めた。県によると、孤立しているのは同地区内の四つの区(上本町区、下本町区、緑ケ丘区、下原区)の住民。吹きだまりでは1メートルを超える積雪があり、14日から外出できない人もいたという。
死者やけが人も相次いだ。同対策本部によると、16日までに富士宮市で道路の側溝に落ちた男性(80)が死亡し、同市で女性(60)が重傷を負ったほか、御殿場市で8人、三島市で3人、富士宮市で3人の計14人が軽いけがをした。交通機関も乱れ、16日午後10時現在、新東名高速道の一部区間で通行止めが継続している。
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◆ 残雪に紅梅 色鮮やか 伊豆の国
(静岡新聞 2014年2月17日朝刊20面)
伊豆の国市の大仁梅林と大仁神社境内で16日、恒例の「おおひと梅まつり」(市観光協会、同実行委員会主催、静岡新聞社・静岡放送後援)が開かれ、多くの人でにぎわった。
来場者はつぼみのほころび始めた梅林内を歩き、残雪と紅梅の鮮やかな対比を楽しんだ。同神社境内では地元の愛好者による雅楽や合唱の披露、軽食の販売、地区住民の文化祭などもあった。
同梅林は1977年の開園で面積は約60アール。80種類約600本の梅が植えられている。同協会によると16日現在の開花状況は五分咲き。
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◆ 小山・須走 豪雪「恐怖感じた」 食料、通院…不安の住民
(静岡新聞 2014年2月17日朝刊27面)
14日未明からの大雪で記録的な積雪となった小山町須走地区では16日、地域をつなぐ4本の道路が不通になり、地域全体が“陸の孤島”と化した。救急車や消防車も通行できない状況。比較的、雪に慣れた住民も「これまでにない恐怖を感じた」と語る。雪は大人の背丈ほどの壁となって立ちはだかり、大きな不安を与えている。
通行止めになった国道を歩き、午後5時前に現地に入った。標高800メートル付近にある同地区では寒さが続き、雪が解けた様子は全く無かった。
同地区の主要道路・須走本通りでは整地用の自衛隊車両がごう音を上げて一気に雪を寄せた。地区内は狭い道が多く、大通りの裏道では身長を超えるような積雪が徒歩での進入をも阻む。
「起きたら玄関前に雪があった」。町道に面した家の女性は雪で埋まった玄関までの通路を見せてくれた。玄関が埋まり、2階から外に出たという住民も多かった。さらに細い道では重そうな買い物袋を抱え、つえを突いて歩く女性(68)と出会った。「店に食料が少ししか無かった。妊婦の娘がいるので、病院に行けるかも不安だ」と足を取られながら、自宅を目指した。
現地対策本部は透析など定期的な治療が必要な住民の安否確認を急ぐ。今週中に再び天候が崩れるとの予報も出ている。「今度、降ったらどうなるか」。住民の不安の声が耳に残った。
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◆ 交通、物流 混乱続く
(静岡新聞 2014年2月17日朝刊27面)
県東部を中心とした大雪の影響は16日も続き、交通機関や物流が大幅に乱れた。
東名高速道では16日午後10時、上り線は静岡インターチェンジ(IC)−東京IC間、下り線は東京IC−沼津IC間で、通行止めがようやく解除された。新東名高速道は御殿場ジャンクション−長泉沼津IC間で、通行止めが続いている。JR東海静岡支社によると、身延線身延−甲府間は再開に数日掛かる見通し。
一方、静岡市葵、清水両区、富士、富士宮市、川根本町、浜松市天竜区の最大1570戸で停電が続いた。
大雪による高速道路の通行止めなどの影響により、県東部を中心に小売店で食料や生活物資の品不足が続くなど、市民生活にも支障が生じた。御殿場市のコンビニ店では16日昼の段階で弁当やおにぎり、パンが全て売り切れた。男性店長は「このような状況は東日本大震災以来だ」と困惑顔。県東部に6店舗を展開するスーパーカドイケ(清水町)では15日から止まっていた商品入荷が再開したものの、量は普段の半分以下。
観光地への影響も大きく、梅まつりを開催中の熱海梅園(熱海市)は幹線道路の交通規制などで客足が鈍った。
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◆ 県東部大雪 小山・須走、一部通行再開 生活道路の復旧めど立たず
(静岡新聞 2014年2月17日夕刊3面)
記録的な大雪のため、地域内の道路が寸断された小山町の須走地区で17日朝から、一部道路で通行が再開し、御殿場方面への車の行き来も部分的に可能になった。深刻な孤立状態は解消に向かっているが、生活道路の復旧はいまだにめどが立っていない。
16日午後から陸上自衛隊の災害派遣部隊は重機計10台で夜間も除雪作業を続けた。その結果、同地区の中心を貫く県道の須走本通りの冨士浅間神社―須走本町交差点の間と、国道138号へ接続する道路が通行可能になった。現在、同区間を一方通行に制限している。山梨県方面に通じる国道138号も同日中の開通を目指す。
一方で、有料道路・東富士五湖道路と町東方面に通じる県道須走小山線の再開は未定。山間部の孤立状態解消にはさらに時間を要する見込み。17日からは町建設業協会の重機も加わり、道幅が狭く手つかずだった町道・文京通りの除雪を進め、小中学校周辺道路の通行再開を目指す。
山梨県・富士吉田市に向かう途中の14日夜に、同地区で足止めされた観光バスは2日以上経過した同日朝、岐阜市の建設会社社員37人を乗せてようやく帰路に就いた。会社役員は「予想もしない事態だった。住民に助けていただいた」と述べ、ほっとした様子で旅館をたった。
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◆ 県内、休校相次ぐ 交通機関にも影響
(静岡新聞 2014年2月17日夕刊3面)
県東部などで降った大雪のため、県内は17日も交通機関の一部に影響が残ったほか、学校の休校などが相次いだ。県災害対策本部のまとめでは、県内の人的被害は同日午前8時までに死者1人、重傷1人、軽傷19人に上った。
県災対本部は同日午前の対策会議で被害状況を確認。関係機関が連携して道路の除雪作業などを進める方針を確認した。報告によると、富士宮市、御殿場市などで雪により損壊した牛舎や鶏舎があり、確認を進めている。
学校関係は、御殿場市、小山町、富士宮市の公立小・中学校31校、県立高校と特別支援学校4校、幼稚園12園が休校・休園を決めた。私立も御殿場、小山両市町の5校・園が休校・休園とした。
本部長代理の岩田孝仁県危機管理監代理は「これほどの積雪は経験がなく、全力を挙げて復旧を図っている」と述べた。
県警のまとめによると、午前9時半現在の通行止めは国道138号、139号など計37路線52カ所。新東名高速道は長泉沼津インターチェンジ―御殿場ジャンクション間で通行止めが続いた。JR東海静岡支社によると、身延線は山梨県内の身延−甲府間で、飯田線は水窪−天竜峡(長野県)間で運転を見合わせた。
中部電力などによると、午前10時現在、静岡市、富士市、富士宮市、浜松市などの計約140戸が停電している。
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◆ 牛舎の屋根が雪の重みで崩落 富士宮、約50頭死亡
(静岡新聞 2014年2月17日夕刊3面)
富士宮市によると、市北部の朝霧高原にある農場(同市根原)で17日までに、牛舎3棟約2万平方メートルの屋根が大雪の重みで崩落した。少なくとも50頭が下敷きになり、死亡したという。牛舎では520頭を飼育していた。市が被害状況を確認している。
農場の従業員によると、屋根の崩落は14日夜に始まり、3棟すべて被害にあった。同農場は牛の救出と受け入れ先の確保を急ぐ。
市北部は幹線道路から離れた民家周辺などで除雪作業が難航し、「家から一歩も出られない」との連絡が市に数十件入った。
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◆ 大雪 伊豆地域の観光に打撃
(静岡新聞 2014年2月18日朝刊20面)
伊豆の観光は2週連続となった週末の大雪の影響を受けている。東名、新東名高速道が通行止めになったため、首都圏の観光客の足が奪われ、梅や桜まつりなど春の観光シーズンのスタートの出はなをくじかれた。今週も降雪予報が出ているだけに、観光関係者は危機感を募らせる。
「河津桜まつり」が5日に始まった河津町では16日までの来場者数は昨年同期比約44%減の約3万2千人。相馬宏行町長は「東駿河湾環状道路開通による来場者増を期待しただけに、このような結果になり残念」と述べ、今後に期待を込める。
熱海梅園は昨年1日最高で9千人が訪れたが、週末は15、16日の2日間で計約7千人。熱海市観光協会の森田金清会長(45)は「梅が最盛期を迎えているだけに痛手」と話す。
観光施設も打撃を受けた。伊豆市の日本サイクルスポーツセンターは営業休止に追い込まれた。担当者は「2週連続の週末の積雪は痛い」と嘆く。伊豆の国市ではイチゴ狩りで予約のキャンセルが相次いだ。富士山麓のスキー場や遊園地も休園にして、従業員が除雪作業に追われた。雪遊びや訪日外国人でにぎわう時期で、担当者は「キャンセルでなく日程変更で対応している」という。
宿泊施設にも影響が出た。伊東市の伊豆高原ペンション協同組合理事長久保田政雄さん(60)は「積雪で宿泊客が車で来られる状態ではなかった。営業的にはかなり痛手。今週もまた降るというが、大雪にならなければいいが」と懸念する。伊豆長岡や修善寺、熱海などの宿泊施設では、首都圏からの客にキャンセルが出た一方、帰宅を諦めた観光客による駆け込み宿泊も多数あったという。
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◆ 除雪作業が難航 交通、物流 混乱続く 御殿場・小山
(静岡新聞 2014年2月18日朝刊20面)
御殿場市、小山町では記録的な大雪から2日経過した17日も、各所で渋滞が頻発するなど交通や物流の混乱が続いた。
同市内の県道や市道の脇には、雪が高く積み上げられ、車幅が狭くなっているため、片側1車線の道でもすれ違いが難航する。休日明けの企業活動再開や東名高速道の通行止め解除で、渋滞を避けるトラックなどの大型車が生活道路に入り込み、混雑に拍車を掛けている。同市は業者を含めて重機25台を投入し、市内全域の除雪作業を続けているが作業は滞っている。歩道の雪の排除は進んでいない。
これまでに転倒事故などが両市町で15件発生。16日以降に凍結した雪解け水で滑るケースが多発している。同市は当分の間、落雪や凍結に注意するよう呼びかけている。
18日も市内の幼稚園、小中学校は休校。小山町では須走地区以外の学校が再開する。
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◆ 「白糸ノ滝」で雪かき 富士宮市職員 観光客の安全確保
(静岡新聞 2014年2月18日朝刊20面)
富士宮市は17日、記録的大雪に見舞われた市北部にある世界遺産富士山の構成資産「白糸ノ滝」で除雪作業を行い、観光客の安全を確保した。
雪が高さ30センチほど残り、歩行が困難な状況だった。市観光課の職員がスコップを使い、滝つぼに通じる階段や観光案内所周辺の雪を一部取り除いた。観光客の足で踏み固められた雪が凍結し、滑りやすい場所も多い。市は注意を呼び掛けている。
富士宮市には富士山の構成資産が県内最多の6件あり、白糸ノ滝と人穴富士講遺跡が市北部に位置する。同遺跡も雪に覆われ、立ち入り不能になった。市教委富士山世界遺産課によると、物的被害などは確認されていないという。
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◆ 大雪災害復旧支援へ緊急融資 沼津、三島両信金
(静岡新聞 2014年2月18日朝刊28面)
沼津信用金庫と三島信用金庫は、静岡県東部を襲った大雪による災害の復旧支援を目的とした低金利での緊急支援融資の取り扱いを始める。各信金の営業地域に在住または勤務する個人、法人(個人事業者を含む)を対象に、被災からの生活再建や事業再建にかかる資金を融資する。
沼津信金の取り扱い期間は17日から4月30日までで、融資限度額は個人が500万円、法人が1千万円。融資期間は最長10年。利率はともに固定金利の年1.5%で、法人は保証料が別途必要。
三島信金は18日から5月30日まで扱う。融資限度額と融資期間は法人が1千万円で5年以内、個人は500万円で10年以内。融資利率は固定金利の1.0%。
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◆ 大雪孤立地域「解消、早急に」 県議ら県に要望
(静岡新聞 2014年2月18日朝刊28面)
静岡県東部を中心にした大雪で県民生活に影響が出ているため、自民党県連と県議会会派のふじのくに県議団の県議が17日、県に対し、関係機関と連携して、地域の孤立解消に向けた取り組みを早急に進めるよう要望した。
自民県連の山田誠総務会長と、ふじのくに県議団の野沢義雄会長らがそれぞれ県庁で大須賀淑郎副知事を訪ね、要望書を手渡した。
自民県連は被害拡大防止のための万全な体制の構築など、ふじのくに県議団は除雪作業による速やかな渋滞解消なども求めた。
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◆ 県東部大雪 東名まひ、検証求める声も
(静岡新聞 2014年2月18日朝刊29面)
県東部を中心に降った記録的な大雪で通行止めになっていた県内の高速道路は、16日夜の東名高速道に続き、17日夜までに新東名高速道の規制が解除され、東西の幹線は3日ぶりに全面復旧した。交通・物流網の混乱、孤立集落の発生など、雪に対する本県の備えの不十分さが明らかになり、多様な自然現象に対する危機管理の在り方があらためて問われる事態になった。
大雪は、県内の基幹道の弱点を浮き彫りにした。東名は上下線とも長時間にわたって多数の車両が滞留し、まひ状態に陥った。大規模地震などの際に機能するのか、防災関係者からは検証を求める声も上がった。
東名上り線の渋滞は14日夜に裾野インターチェンジ(IC、裾野市)付近で始まり、15日にかけて由比パーキングエリア(静岡市清水区)付近まで最長約40キロに達した。中日本高速道路によると、きっかけは14日午後8時ごろ、裾野IC付近で乗用車1台がスリップ事故のため立ち往生したこと。付近から渋滞が始まる一方で、同日未明からの降雪を受け15日午前1時、清水IC(静岡市清水区)−大井松田IC(神奈川県)が通行止めになった。
中日本高速道路は「表示などで通行止めを知らせ、途中のICで一般道に回るよう案内した」(広報担当者)と説明する。ところが、実際には大型車を中心にそのまま規制解除を待つ車が目立ち、車列が動かない状態が続いた。
8日の大雪の際は、新東名を全線通行止めにして東名の除雪に資機材を集中させた。今回も同様の措置を取ったが、広報担当者は「多くの車両が残り、除雪がはかどらなかった」と言う。通行止めの解除は16日午後10時までずれ込んだ。
県は東名、新東名を大規模災害時の緊急輸送路と位置付ける。大規模地震の際にも滞留車両が発生する可能性があるため、岩田孝仁県危機管理監代理は「車両を速やかに高速道路外に出す方策も組み合わせ、検討を進めていきたい」と話す。
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◆ 主要道除雪ほぼ完了 小山・須走 周辺部は進まず
(静岡新聞 2014年2月18日朝刊29面)
記録的な豪雪で地域内の道路が寸断された小山町須走地区では、17日午後も陸上自衛隊の災害派遣部隊や町建設業協会による除雪作業が続いた。地区中心部では主要道路の除雪がほぼ完了し、生活道路の除雪も始まった。ただ、周辺部では依然、歩くのも困難な場所も多い。
同地区の主要道路の県道須走本通りは、自衛隊の除雪で中心部が開通した。須走本通りに並行する町道文教通りも、同協会が重機やダンプ計約20台を出動させて除雪作業を進め、小、中学校周辺は車の通行ができるようになった。
生活道路の除雪も始まったが、大半は雪に埋もれたまま。町外の病院で亡くなった故人を地区内の自宅に運ぶ際、車両が自宅まで行けず、小山消防署の署員が用意したそりでひつぎを運んだ。
自衛隊は夜を徹して作業に当たり、18日は同協会も加わって主要道路の残りの部分や生活道路の除雪を進める。須走地区緑ケ丘区の芹沢孝彦区長(53)は「住民も丸3日作業を続け、疲労もたまっている。少しでも早い除雪が必要」と訴えた。
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◆ 浜松・水窪12人孤立 道路、鉄道依然乱れ
(静岡新聞 2014年2月18日朝刊29面)
県内は17日も東部地域を中心に、大雪の被害や交通への影響が続いた。県災害対策本部のまとめによると、新たに裾野市の女性(82)が雪で転倒して重傷を負うなど、人的被害はこれまでに死者1人、重傷2人、軽傷22人に上っている。
同本部や浜松市によると、小山町須走地区のほか、浜松市天竜区水窪町奥領家の門谷地区でも7世帯12人が孤立した。同市によると、12人の安全は確認しているという。伊東市の住宅で雪の重みにより屋根の一部が破損する被害もあった。
県警のまとめでは、14日朝から通行止めになっていた新東名高速道の長泉沼津インターチェンジ−御殿場ジャンクション間は、上下線ともに17日午後7時までに規制が解除された。午後7時現在、一般道は御殿場市の国道138号など32路線42カ所で通行止めが続き、国道や県道など38路線58カ所でチェーン規制を実施している。
鉄道はJR飯田線が水窪−天竜峡(長野県)間で運転を見合わせた。同線豊橋−水窪間とJR身延線の富士−下部温泉(山梨県)間は折り返し運転を行っている。
中部電力によると、117日午後8時現在、静岡市、富士市、富士宮市、川根本町などの一部計約100戸が停電している。
一方、自然体験学習などからの帰路、山梨県内で足止めされていた静岡学園中(静岡市)と星陵中(富士宮市)の生徒ら計約330人は16日午後、地元に戻った。
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◆ 牛舎、養鶏場倒壊など23件 県、JAの被害調査難航
(静岡新聞 2014年2月18日朝刊29面)
記録的な大雪で静岡県内は17日、畜産関連など農畜産物の生産現場で多くの被害が確認された。県のまとめでは、降り積もった雪の重みで県東部を中心に牛舎や養鶏場の倒壊などが23件発生した。山間部での被害が目立つ。「想定外の降雪量」(JA静岡経済連)のため復旧作業をはじめ、県やJAによる被害調査も難航している。
県農業振興課の調べ(17日午後6時現在)では、牛舎の倒壊は富士宮市7件、御殿場市1件、伊豆の国市1件など。雪の重みで屋根が押しつぶされて全壊したり、一部倒壊したりした。「飼育牛が雪の下敷きになり、50頭以上死亡した」(経済連畜産課)生産者もいるもよう。御殿場市の養鶏場は2棟が全壊、1棟半壊。三島市では、野菜を栽培するビニールハウスの一部が破損したという。
今週半ばに再び降雪が予想され、伊豆の国市の畜産家は「他の牛舎の倒壊を防ぐため、除雪作業を始めた」と対応に追われる。県やJAは18日以降も、被害の実態把握を急ぐ。ただ、二次被害の危険性もあるため、現場の状況を踏まえながら調査を進める方針。
一方、出荷盛期のミカンも関東方面への延着が出るなど、生産、流通の各方面で影響が出ている。
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◆ 19、20日また雪か 気象台予想
(静岡新聞 2014年2月18日朝刊29面)
14〜15日に県東部を中心に大雪を降らせた「南岸低気圧」が、19〜20日ごろにも県内に接近し、再び雪を降らせるとの予想を静岡地方気象台が17日、明らかにした。特に山沿いや山地では24時間の降雪量が最大で20センチに達する可能性があるとみている。
気象台によると、今回の大雪は本州の南側を東へと進んだ低気圧がもたらした。19〜20日ごろにも別の低気圧が近づく見通しだ。
14〜15日に比べると、陸地から離れた所を通過する見通しで、降水・降雪量は少なくなるとみられる。ただ、今回大雪に見舞われた富士山南東や伊豆北の山地、中部北は降り始めから雪になるとみられ、県内沿岸部も雪か雨と予想している。
14〜15日には、御殿場市で85センチの積雪を観測する記録的な大雪になった。気象台は「今後も気象情報を気に掛け、行動にも十分注意してほしい」と呼び掛けている。
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◆ 主要道除雪、午後完了 小山・須走 孤立長期化に不安
(静岡新聞 2014年2月18日夕刊1面)
大雪の影響で孤立状態となった小山町須走地区は18日、陸上自衛隊の災害派遣部隊などが除雪作業を続けた。災害派遣部隊は同日午後にも当初目的の主要道路の作業を完了し、撤収する予定。一方で、道幅の狭い生活道路の開通はめどがたたず、孤立状態の長期化に住民の不安も増大し、援助要請が増えている。
16〜18日の3日間の作業で県道2路線と町道1路線、小中学校周辺の道路の除雪はほぼ完了した。今後、町建設業協会の重機や小型重機を導入し、生活道路の除雪を急ぐ。
18日朝までに現地対策本部に寄せられた救助や援助の要請は計8件。時間経過とともに増加傾向にある。町職員は「家から出られない状況が長引き、健康への不安やストレスも高まっている」と懸念する。
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◆ 水窪も孤立続く
(静岡新聞 2014年2月18日夕刊1面)
県東部を中心とした大雪被害は、降雪が収まって丸3日近くが経過した18日も依然として生々しい爪痕を各地に残している。県災害対策本部のまとめによると、小山町須走地区の計1239世帯2920人、浜松市天竜区水窪町奥領家門谷地区の計7世帯12人がなおも孤立状態で、鉄道・道路の復旧作業も難航している。
小山町によると、須走地区では高齢者世帯計約70世帯121人を救出するため、この日も夜通しで自衛隊が除雪作業を進めた。
浜松市によると、水窪町の7世帯では停電が続いているものの、同日昼に復旧する見込み。道路開通の見通しは立っていないため、ヘリによる食料の投下などを検討中という。
県災害対策本部によると、東富士五湖道路の上下線全線のほか、国道や県道など38カ所で通行止めが続いている。御殿場市と小山町の小、中学校など計32の教育施設は、17日に続いて同日も残雪のため休校・休園となった。JR東海静岡支社によると、山梨県内の積雪の影響で、身延線は一部区間で終日運転を見合わせている。
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◆ 「富士山の日」フェスタ中止
(静岡新聞 2014年2月18日夕刊1面)
記録的な大雪に伴い、静岡、山梨両県は、山梨県富士吉田市で23日に開催を予定していた「富士山の日フェスタ2014」の中止を決めた。
同フェスタは世界遺産認定書のお披露目などが行われ、両県の知事や県議、関係市町村長、構成資産関係者らが出席を予定していた。両県は大雪被害を受け、「合同で世界遺産登録をお祝いするのにふさわしい状況ではない」と判断し、中止を決めた。一方、23日の「富士山の日」フェスタふじのくに芸術祭2014総合開会式(静岡市駿河区)など県内イベントは実施する予定。
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◆ 大雪被害 「真っ暗な夜、心細い」 浜松・水窪孤立世帯 体調確かめ合う
(静岡新聞 2014年2月18日夕刊3面)
「真っ暗な夜が心細い」−。大雪の影響で浜松市天竜区水窪町奥領家の門谷地区では18日、7世帯12人の孤立状態が続いた。住民からは不安と早期復旧を望む声が上がった。
14日から積もった雪や倒木により、同地区につながる林道が通行できなくなっている。市によると、除雪や倒木の除去作業を進めているが、復旧の見通しは立っていないという。
同地区に夫婦で暮らす女性(80)は「昨日から停電も続いていて、夜は真っ暗。集落の人と顔を合わせて体調を確認しているが、できるだけ早く道路を通れるようにしてほしい」と電話取材に答えた。
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◆ ボランティアの受け入れへ本部 富士宮市社協
(静岡新聞 2014年2月18日夕刊3面)
富士宮市社会福祉協議会は18日午前、記録的大雪に見舞われた市北部の市民生活を支援するため、同市総合福祉会館に災害ボランティア本部の設置を決めた。同市で震度6強を観測した2011年3月の地震以来2度目。
市社協は本部開設に向け、市北部の猪之頭地区などで住民ニーズを把握する現地調査を始めた。除雪作業や高齢者対応などの支援が想定されるという。市民団体「災害ボランティアコーディネーター富士宮連絡会」が、ボランティアの受け入れや役割分担に当たる。
市防災危機管理室によると、市北部は14〜15日に降った大雪で、多い所で約90センチの雪が残っている。同本部の運用指針に基づき、須藤秀忠市長が「市北部で日常生活に支障をきたしている世帯がある」として市社協に設置を要請した。
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◆ 水窪6世帯 孤立続く 大雪被害 小山・須走は解消
(静岡新聞 2014年2月19日朝刊1面)
県東部を中心に猛威を振るった大雪で、県は18日、第2回災害対策本部対策会議を県庁で開き、関係各所と情報交換した。小山町須走地区で続いていた孤立状態は同日正午までに解消され、同町と御殿場市で休校・休園していた計32の教育施設のうちほとんどが19日に運営を再開することなどが報告された。
小山町須走地区では、陸上自衛隊員らが16日午後から、地域の住民生活確保と高齢者世帯121人の救出を目的に除雪を続けていた。高齢者世帯の孤立解消を受け、県が撤収を要請したという。
一方、浜松市天竜区水窪町奥領家門谷では、依然として計6世帯10人の孤立状態が続いている。同市によると、門谷地区ではほとんどの世帯で停電が復旧し、JR飯田線も運行を再開したが、1世帯2人の孤立状態が解消したにとどまっている。市は19日も除雪作業を進める。
岩田孝仁県危機管理監代理は「県内の幹線道路の除雪はほぼ完了した。生活道路も丁寧に進めていきたい」と話した。その上で「山梨県は道路の除雪が進んでいない。全面的に応援したい」として、同県から除雪要請があった場合の支援態勢をすでに整えていることを明らかにした。県は18日午後5時、災害対策本部から情報収集態勢への移行を発表した。
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◆ 水窪6世帯 孤立続く 大雪被害 小山・須走は解消
(静岡新聞 2014年2月19日朝刊1面)
県東部を中心に猛威を振るった大雪で、県は18日、第2回災害対策本部対策会議を県庁で開き、関係各所と情報交換した。小山町須走地区で続いていた孤立状態は同日正午までに解消され、同町と御殿場市で休校・休園していた計32の教育施設のうちほとんどが19日に運営を再開することなどが報告された。
小山町須走地区では、陸上自衛隊員らが16日午後から、地域の住民生活確保と高齢者世帯121人の救出を目的に除雪を続けていた。高齢者世帯の孤立解消を受け、県が撤収を要請したという。
一方、浜松市天竜区水窪町奥領家門谷では、依然として計6世帯10人の孤立状態が続いている。同市によると、門谷地区ではほとんどの世帯で停電が復旧し、JR飯田線も運行を再開したが、1世帯2人の孤立状態が解消したにとどまっている。市は19日も除雪作業を進める。
岩田孝仁県危機管理監代理は「県内の幹線道路の除雪はほぼ完了した。生活道路も丁寧に進めていきたい」と話した。その上で「山梨県は道路の除雪が進んでいない。全面的に応援したい」として、同県から除雪要請があった場合の支援態勢をすでに整えていることを明らかにした。県は18日午後5時、災害対策本部から情報収集態勢への移行を発表した。
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◆ 大雪影響 農業施設の被害拡大 作付け、酪農にも打撃
(静岡新聞 2014年2月19日朝刊22面)
大雪による影響で、県内農林畜産業への被害が拡大している。県は18日、東部を中心に6市4町で牛舎や園芸用ビニールハウスの倒壊など41件の被害を確認したと発表した。生乳出荷や野菜の作付けにも影響が広がり、生産者は大きな打撃を受けそうだ。
県のまとめ(18日正午現在)では被害は富士宮市16件、東伊豆町7件、三島市6件、御殿場市2件など。酪農関連では、積雪で道路事情が悪く輸送車が畜舎に入れず、生乳の出荷を断念して廃棄する生産者が相次いだ。御殿場市特産の水かけ菜など、露地野菜も雪で傷む被害などが出ているもよう。
三島市近郊で生産される箱根西麓野菜は、ダイコンを栽培するビニールハウスなどの被害が確認されている。8日の降雪で少なくとも50棟のハウスが倒壊し、先週末の大雪により「さらに20棟以上が被害を受けた」(JA三島函南)とみられる。
ジャガイモ生産者の男性(59)=同市=は畑にビニールが張れず、作付け作業が約1カ月遅れる見通し。「雪が解けるのを待つしかない。別の野菜を出荷して乗り切る」と話している。
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◆ 大雪影響 農業施設の被害拡大 作付け、酪農にも打撃
(静岡新聞 2014年2月19日朝刊22面)
大雪による影響で、県内農林畜産業への被害が拡大している。県は18日、東部を中心に6市4町で牛舎や園芸用ビニールハウスの倒壊など41件の被害を確認したと発表した。生乳出荷や野菜の作付けにも影響が広がり、生産者は大きな打撃を受けそうだ。
県のまとめ(18日正午現在)では被害は富士宮市16件、東伊豆町7件、三島市6件、御殿場市2件など。酪農関連では、積雪で道路事情が悪く輸送車が畜舎に入れず、生乳の出荷を断念して廃棄する生産者が相次いだ。御殿場市特産の水かけ菜など、露地野菜も雪で傷む被害などが出ているもよう。
三島市近郊で生産される箱根西麓野菜は、ダイコンを栽培するビニールハウスなどの被害が確認されている。8日の降雪で少なくとも50棟のハウスが倒壊し、先週末の大雪により「さらに20棟以上が被害を受けた」(JA三島函南)とみられる。
ジャガイモ生産者の男性(59)=同市=は畑にビニールが張れず、作付け作業が約1カ月遅れる見通し。「雪が解けるのを待つしかない。別の野菜を出荷して乗り切る」と話している。
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◆ スズキ工場、供給が回復 県内企業も再開
(静岡新聞 2014年2月19日朝刊22面)
スズキは18日、大雪の影響で生産を停止していた県内工場の操業を再開した。滞っていた部品供給が同日午後から再開したため。ほかの県内企業も相次いで生産を通常態勢に戻す。
スズキは、軽自動車「ワゴンR」などを生産する湖西市の湖西工場と磐田市の磐田工場の操業を18日夕、再開した。牧之原市の相良工場は19日朝から操業する。3工場はいずれも四輪車の組み立てを担っている。関東方面からの部品が届かず、磐田工場と湖西工場は15日夜以降、相良工場は17日から稼働を停止していた。
ジヤトコは18日、17日夜に停止した富士市、富士宮市の生産拠点の一部ラインの稼働を再開した。
17日夜から築地工場(藤枝市)などの一部生産ラインを停止している村上開明堂は19日朝から生産を再開する。
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◆ 大雪の須走地区 車使えず 生活に影響 孤立解消
(静岡新聞 2014年2月19日朝刊29面)
大雪で孤立状態に陥った小山町須走地区では18日午後までに、陸上自衛隊の災害派遣部隊による主要道路の除雪作業を終えた。地元建設業者や住民による生活道路の除雪作業で、最大時70世帯78人に上った要援護の高齢者宅周辺も部分的に除雪され、同日正午段階で孤立は解消した。一方で、生活の足である乗用車を自宅から出せない状況が一部で残されている。“孤立状態”から4日目を迎え、暖房用の灯油や食料の不足など、今後の生活に不安を抱える住民も増えている。
地区内には今月8日の大雪の上にさらに大量の雪が積もり、道の両側に高い雪の壁ができている。商店が並ぶ地区の中心部分から山側にある住宅地・須走高原会では、車での外出ができない住民も多く、長い坂道を歩いて買い物に出掛けざるをえない。60代の男性は「毛布にくるまって寒さをしのいでいる」と灯油切れを嘆く。地区内で唯一のガソリンスタンドまで1キロ余り。燃料宅配も雪の壁が業務を阻んでいる。認知症の妻と2人暮らしの男性宅に地元消防団員らが最小限の食料を配るケースもあった。
要請を受けた現地対策本部が支援するが、日常生活に戻れないいら立ちを抱える住民もいる。神奈川県で清掃作業員として働く女性(62)は「車が無いと仕事に行けない。食事も灯油も十分あるが、このままでは生活できなくなる」と窮状を訴えた。
高齢化が進む平屋住宅の密集地では、雪かきに手つかずの家も多い。男性(61)は「表の通りの雪が無くならないと、除雪ができない」と焦りの色をにじませた。
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◆ 御殿場市長 「大雪時、車規制を」 国に要請 生活道路まひ、除雪遅れ
(静岡新聞 2014年2月19日朝刊29面)
記録的な大雪に見舞われた御殿場市の若林洋平市長は18日の定例会見で、国に交通規制の在り方の改善を求めたと明らかにした。
東名高速道などの渋滞を回避する車が生活道路に入り込み、同市内はまひ状態に陥った。若林市長は除雪の遅れに影響したとし、緊急車両を優先する通行規制など機動的対応を国に求めたと述べた。
15日に陸上自衛隊への災害派遣要請を県と協議したものの、要件に該当しないと判断して見送った経緯も明らかにし、「当初から自衛隊に入ってもらうことも必要。県にも早い対応を求めたい」と降雪時の対応を精査していく考えを示した。
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◆ 授業が再開 児童笑顔 大雪の小山御殿場 徐々に日常取り戻す
(静岡新聞 2014年2月19日夕刊3面)
大雪で一時孤立状態に陥った小山町須走地区や御殿場市内の公立小中学校などが19日、授業を再開した。昨夜までに山梨県方面に通じる国道138号がほぼ全面開通して御殿場方面と接続したため、深刻な事態は解消された。地区は徐々に日常を取り戻している。町は19日午前に地区内に設置した現地対策本部を閉鎖した。今後は須走支所を拠点に現地調整会議を開き、要援護者の生活支援を継続する。
市全域と須走地区では、積雪による通学路の安全確保が難しく、2日間の臨時休校を余儀なくされた。
須走小では、登校時間を通常の2時間遅らせた。保護者や教員が見守る中、児童が背丈以上に積もった雪の間をすり抜けて笑顔で登校した。除雪した雪の置き場所となった校庭の雪は高さが5メートル近くもあり、児童は「すごい雪」と驚いていた。登校に付き添った保護者は「自宅前は雪が多く、通常の生活にはほど遠い。子どももストレスがたまり、友だちと会いたがっていた」と授業再開を喜んだ。阿部克彦校長は「当初はいつ再開できるかと心配したが、早期に再開できて良かった」と話した。登下校中の児童の転倒事故を警戒し、当面、安全を見守る見通し。
須走幼稚園は20日から再開する見通し。
同地区では他地域とつながる4カ所の流出入口のうち、国道138号の2カ所が既に開通した。町の東方面に通じる県道須走小山線は歩道の除雪完了まで開通できないという。
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◆ 小山町大雪対応 陸自の任務完了
(静岡新聞 2014年2月19日夕刊3面)
大雪のため孤立状態になった小山町須走地区で災害派遣活動を実施した陸上自衛隊富士学校富士教導団の部隊が18日午後、主要道路の除雪作業を完了し、撤収した。
地元関係者が見守る中、隊員から任務完了の報告を受けた込山正秀町長は「昼夜を問わずに対応していただき、早期の開通ができた」と謝辞を述べて活動をたたえた。
派遣は16〜18日の延べ3日間。隊員延べ190人、重機など57台が出動した。積雪で孤立した高齢者らの危険を除去するため、県道2路線、町道1路線の計3キロ以上にわたる主要道路などを路面が見える状態になるまで24時間態勢で作業した。
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◆ 水窪の孤立解消へ 県内、36カ所通行止め
(静岡新聞 2014年2月19日夕刊3面)
大雪の影響が長引く県内では19日、いまだ国道や県道など26路線36カ所で通行止めが続いている。一方、6世帯が孤立していた浜松市天竜区水窪町奥領家門谷では、孤立状態の解消に向けた見通しが立ち、事態が改善し始めた。
県警交通規制課によると、19日午前8時現在、東富士五湖道路の上下線全線のほか、御殿場市の国道138号、富士宮市の国道469号などの一部箇所が通行止めになっている。45路線62カ所でチェーン規制も続く。
他方、少しずつ混乱は落ち着き始めている。国土交通省静岡国道事務所によると、バスを含む計9台約50人が一時立ち往生した小山町須走の国道138号は、18日午後9時までに片側1車線の上下線でともに除雪が完了し、通行止めが解除された。JR東海静岡支社によると、一部区間で運転を見合わせている身延線の全線運転再開は、週明けにずれ込む見通し。大井川鉄道井川線は19日午前、全線で運転を再開した。
また、浜松市によると、門谷地区では、6世帯10人のうち、JR飯田線の運転再開を受けて1世帯1人の孤立が19日午前に解消した。4世帯7人についても長野県天龍村側からの除雪作業で、同日中にも解消する見通し。残る1世帯の高齢夫婦については20日中になる見込み。
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◆ 大室山山焼き 残雪で来月へ 雪解け 見込み立たず
(静岡新聞 2014年2月20日朝刊19面)
伊東市の大室山山焼き保存会は19日、役員会を開き、残雪のため、23日に予定していた大室山の山焼きを3月2日に延期することを決めた。ただ、山を覆う平均約50センチの雪が2日までに解ける見通しは立たず、関係者は「果たしていつできるのか」と気をもんでいる。
延期は3回目。1回目は荒天のため、9日から16日へ、2回目は積雪のため、16日から23日へと延期していた。3月2日も実施できない場合は9日の実施を目指す。
毎年2月の第2日曜日に予定する山焼きが3月にずれ込むのは、2010年以来4年ぶり。この年は14日に行った。この時も積雪が原因だったが、保存会の野尻勝三副会長(63)は「今回は雪の量が倍くらいある。いつ解けるのか、見当もつかない」と話す。
大室山の山焼きは約700年前に始まったとされる伝統行事。良質なカヤを採取するために、枯れ草を燃やして新芽の育成を促すのが本来の目的だが、3月下旬になると、その新芽自体が伸び始める。野尻副会長は「早くやりたいのだが」と漏らす。
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◆ 大室山山焼き 残雪で来月へ 雪解け 見込み立たず
(静岡新聞 2014年2月20日朝刊30面)
大雪に見舞われた小山町や御殿場市では、19日も生活道路の除雪作業が進められた。往来が不可能になっていた浜松市天竜区水窪町奥領家門谷では、長野県天龍村に通じる道路の復旧で4世帯7人の孤立状態が解消し、残り1世帯になった。一方、積雪の状態が激しい山梨県に対し、県は具体的な支援に取り掛かった。
浜松市によると、孤立が続く1世帯の高齢夫婦については、住宅につながる林道の除雪作業が予想より難航し、20日中の開通は困難になった。20日に市職員が徒歩で訪問し、状況を確認する。
山梨県への支援は、同県内の国道の除雪作業に、富士宮市の建設業者2社を派遣する。国道300号と358号を担当し、20日から作業を始める。同県の担当部署と連絡を取り合いながら、車の通行が可能になるまで続ける予定。
また、県は、22日に予定していた航空受援訓練の中止を決めた。道路の寸断で山間部を中心に孤立地域が発生したと想定し、陸上・海上・航空自衛隊や県、在日米軍などのヘリで離着陸誘導訓練などを実施する予定だった。陸自の部隊が山梨県などで除雪作業の支援をしていることや、県内のヘリが支援要請を受けて出動する可能性があることを考慮し、あらためて日取りを設定するとした。
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◆ 災害対策本部態勢 御殿場市が解除
(静岡新聞 2014年2月20日朝刊30面)
御殿場市は19日午後、大雪による事故や被害などの警戒や対処をしていた市災害対策本部態勢を解除した。今後は事前配備態勢に移行し、日常業務の中で警戒や情報収集を続けるという。
同市は85センチという過去最大規模の積雪を受け、15日に災害対策本部を設置していた。
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◆ 須走へ雪かき派遣 ボランティア募集 小山町社協
(静岡新聞 2014年2月20日朝刊30面)
14日から15日にかけての大雪被害を受け、小山町社会福祉協議会は19日、「雪害被害世帯生活支援センター」の設置を決めた。一時孤立世帯が発生するほどの積雪となった小山町須走地区の復旧のため、要望に応じて雪かきボランティアを派遣する。派遣要請とボランティアを募集する。
同センターは須走地区コミュニティセンターを拠点に20〜23日の計4日間、活動する予定。雪かきができずに生活に支障が出ている高齢者世帯や障害者世帯を対象に派遣要請を募り、玄関から公道までの除雪作業をボランティアが担う。
募集人員は1日30人。派遣要請やボランティアの応募は同社協〈電0550(76)9906〉へ。
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◆ 水窪の孤立解消 県内ゼロに
(静岡新聞 2014年2月20日夕刊2面)
大雪の影響により浜松市天竜区水窪町奥領家門谷で唯一往来が不可能になっていた別荘滞在の高齢夫婦について、浜松市は20日、孤立状態が解消したと発表した。これにより、県内の孤立世帯はゼロになった。
浜松市によると、別荘に続く林道・天竜川線の除雪作業が難航したため、当初、20日中の開通は困難とみられていた。別荘付近で天竜川線と交わる別の林道の除雪を作業時間を延長して進めた結果、想定より早く孤立状態が解消した。市も職員2人を派遣し、別荘の状況を確認した。
門谷地区に1人で暮らす男性(72)は、全世帯の孤立解消にほっとした様子。集落の周りは雪や倒木で通れない林道も残っているが「道が1本でも通っていれば安心する。50年以上ここに住んできたが、80センチほども雪が積もったのは初めてで驚いた」と話した。
一方、上下線で通行止めが続いていた小山町須走と山梨県を結ぶ有料道路「東富士五湖道路」も除雪作業が終了し、20日午前0時に約132時間ぶりに全線開通した。県警交通規制課によると、午前7時現在、県内の国道や県道など計24路線31カ所で通行止めが続いている。
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